スター効果のことで針状包有物等を含む宝石をカボション・カットしときにみられる4条または6条の星彩効果をいう。ルビー、サファイア、ガーネットなど。
半透明のクォーツまたはフェルドスパーなどにみられる光の効果で、宝石中に薄い板状の包有物を含むために鮮やかなキラキラした光の反射が生じる。クロム雲母が包有されると緑色の光が生じ、赤鉄鉱や針鉄鉱が包有されると赤色がかった光の反射が生ずる。アベンチュリン・クォーツ、サンストーンなど。
宝石の模造品全般に対する呼び方で、ガラスやプラスチックなどでつくった模造品や、ダブレット、フォイルバックなども含めてイミテーションと呼ぶことがある。
包有物。宝石中に含まれる液体や微小結晶や合成石などに含まれる気泡やフラックス(融剤)などをいう。広義ではサファイアなどにみられる直線的な色帯や、合成サファイアのカーブした色帯なども含まれる。
人間の目で感じることができる範囲の光で、通常700nm の赤色スペクトルから400nm の菫色スペクトル。
宝石の種類、真偽、処理の有無などを科学的に検査すること。科学的検査の結果を記載したのが宝石鑑別書である。
ベルヌイ法や引き上げ法などで合成した宝石や、ダブレットやガラスなどに包有される空気、ガス、真空状態などの空隙を気泡という。気泡は通常同心円状か雲状で包有され、天然ガラスを除いて天然宝石中には気泡は単独では存在せず、常に液体中に共存という形で存在する。
物質のひっかきに対する抵抗力や強さをいい、宝石関係ではモース氏のつくったモースの硬度が利用される。モース硬度によるとダイヤモンドは10、ルビーは9、クォーツは7となる。しかし鑑別上でのこのテストは宝石を傷つけるので必要ない限り避けるべきである。
宝石の包有物の一種で、液体で充満された空隙(キャビティ)中に気体と固体が共存した形式の包有物をいう。特にコロムビア産エメラルドに特徴的な包有物で産地鑑別の特徴と見做されている。
キャッツアイ効果のことで、宝石内部に存在する平行に発達した繊維状結晶または管状包有物等からの光の反射によって生じる猫の目のような光彩効果。クリソベル・キャッツアイが最も価値がある。クォーツ、トルマリンなどにもシャトヤンシー効果を示すものがある。
宝石のなかには2色または3色の色を伝達するものがある。これは結晶方向によって光の吸収伝達が異なるため、その光の伝える色が異なるので多色性を示す。肉眼では1つの混合色として見えるので、偏光器、二色鏡、偏光顕微鏡などを通して観察するとこの現象がよく判る。
純粋な状態では無色または白色だが、主成分とは関係の無い金属元素の存在によって色が着いている鉱物を他色鉱物と呼ぶ。ほとんどの宝石は純粋な状態では無色で、不純物金属元素としてクロムや鉄などが含まれることによって着色されている。
宝石が光を通過させる程度で、通常は透明、半透明、不透明の3種に分類される。
ダブレット、トリプレット、フォイルバック(色や光学効果を強める目的で、宝石の裏面を銀箔などでおおった石)などの処理石のこと。天然、合成にかかわらず2種類以上の部分で構成されたものをいう。オパール、エメラルドなどに多い。
宝石中に含まれる羽毛状包有物。カラー・ストーン中に含まれるフェザーは液体包有物などが多く、ダイヤモンドに含まれるフェザーはクリベージやフラクチュアである。
石の劈開方向(石目)以外の破砕をフラクチュアと呼ぶ。その断口の様子によって貝殻状、木片状、粒状、ノコ歯状などに分類される。