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鑑別書は宝石の種類、例えばダイヤモンドか他のイミテーションかなどの分析結果が記載されています。ただし、宝石の品質評価は表示されません。
鉱物名または生物学上の呼称が記載されます。自然界で生成され、カット・研磨以外の人的手段が加えられていないこれらのものには、すべて“天然”の接頭語が冠せられます。
鉱物の中で色や組成などにより細分化された変種名あるいは宝石として分類された変種名が記載されます。光学的効果をもつ宝石には、その効果を表す接頭語または接尾語を付けて記述されます。
検査石の透明度(透明、半透明、不透明)と色相を記載しています。
石の外形の形と研磨された形状を記載しています。一般的に宝石は、原石からの歩留まりが良く、その石の最高の色が得られ、しかも最大限の輝きが出るような方向にカットが施されています。以下に宝石の代表的なカットをご紹介します。
※歩留まり・・・研磨加工した後に残る重量の割合
宝石の重量は、通常カラット(略字ではct.)で表示されます。1カラットは、0.200gです。重量の後に“(刻印)”と書かれているものは、リンク等製品に打刻された重量をそのまま記載しています。
製品に加工されて重量の測定ができない石については、石の大きさから推定した重量と比較したうえでその刻印の重量を記載しています。
1/100mmまで測定した“縦×横×深さ”の寸法が記載されています。複数石の場合は“省略”と記載され、枠留めの関係などで測定出来ない場合は“測定不可”と記載されます。
宝石鑑別書の右上には鑑別書毎に番号が記されています。
光が空気中から宝石に入る時に、その境界で起きる屈折の度合いは、宝石の種類によって固有の値をもっています。
光が宝石に入り屈折をする際、内部で2本に分かれて屈折するものがあります。この現象を複屈折性、1本のままのものを単屈折性と呼びます。これらは、宝石の種類によって決まっています。
複屈折性の有色の宝石を見た時に、方向によって色が違って見える多色性は、宝石の種類によって異なります。
蛍光性を検査します。宝石などの物質に紫外線を当てると、これを吸収してその宝石特有の人間の眼に見える色の光に変化して発散されることがあります。この性質を蛍光性と呼び、宝石の種類によって蛍光性は異なります。
比重(物質の空気中の重量と同体積の水の重量との割合)は、宝石の種類によって固有の値をもっています。製品の場合は、石の比重測定が出来ませんので、“セットのため測定不可”と記載しています。
一見同じ色のように見えても、宝石の種類によってその色が付いている原因は違うものです。この検査は宝石に光を当て、そこから返ってくる光や透過してくる光を各波長に分解して、検査する宝石の特徴的な光の吸収を調べています。
宝石用実体顕微鏡を用い、数十倍に拡大した状態で宝石内部を検査し、天然特徴やその石特有の特徴を調べています。
既述の『分光性』はハンディ型分光器での可視領域だけの目視による検査を意味していましたが、この紫外-可視分光光度計の検査では宝石からの目に見える光(可視光線)から紫外領域までの光を分析します。
ジェイダイト(ひすい)の樹脂含浸やエメラルドのオイル含浸の確認。また、ダイヤモンドの鑑別に不可欠なタイプ分類、コランダムの加熱の履歴の検査、そして、各種宝石類の天然・合成の判断や同定にも有効です。
X線を宝石に照射した際に生じる特有のX線(蛍光X線)を分析することにより、含有する元素の種類や量を測定する装置です。宝石に含まれる元素情報により、各種宝石鉱物の同定、天然・合成の鑑別、真珠の母貝チェックまで幅広く応用されています。
人間が胃の検査等でレントゲン写真(X線写真)を撮る手法と同じ原理で真珠の透過画像を取り込み、真珠の核の有無や真珠層の厚さ測定、サファイアなどへの鉛含浸処理の調査を行います。
天然ダイヤモンドと合成ダイヤモンドを区別するために、ダイヤモンドに短波長の紫外線を当て、成長構造を蛍光像として撮影し、モニターでの観察を可能にした装置です。天然と合成ダイヤモンドではその蛍光像のパターンの違いは明らかです。
波長が短く高エネルギーのレーザーを固体サンプルに照射し、蒸発・微粒子化させるレーザーアブレーション装置(LA)と、蒸発・微粒子化した粒子を高周波プラズマ内に導入しイオン化させ、生じたイオンを質量分析計で測定を行う誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)の2種の装置から構成されています。軽元素を含む多くの元素を分析することが可能で、拡散加熱処理コランダムの看破や、コランダムの産地同定などに利用されています。