真珠の養殖につかう母貝で、ウグイスガイ科に属する二枚貝。日本では、千葉県以南および佐渡以西の海に分布している。成貝は10センチていどの大きさで、外套膜にドブ貝の殻などでつくった核を挿入し核の周囲に真珠層を形成させる。普通養殖期間は半年~2年半。
真珠の形の分類で卵形をしたものをエッグと呼ぶ。
貝の内臓を保護する膜で、この部分を核と共に挿入し真珠層を分泌形成させる。
養殖真珠は無核と有核とがあり、有核真珠はドブ貝などの殻を球状としこれを核として真珠の外套膜に挿入し、核の周囲に真珠層を形成させる。核に用いる貝殻としては米国ミシシッピー川産のドブ貝などが使われる。
あこや貝などに核を挿入することで、4~10月頃の間で盛夏は行わない。2年生位の若貝の外套膜を2×1.5㎜程度に切断したピースを核に付着させ、外套膜中に挿入する。
真珠の色調は大別してピンク系、クリーム系、イエロー系、ゴールド系、シルバー系、グリーン系、ブルー系、ブラック系に分類され、日本ではピンク系、シルバー系などが好まれる。
黒蝶真珠の母貝としてしられる二枚貝で、亜熱帯から熱帯にかけた海域に分布する。この貝からは黒真珠が採れる。沖縄の石垣島やタヒチで養殖されている。クロチョウ真珠とも呼ぶ。
真珠の色調はボディカラーと真珠効果の相乗効果で定まるがボディカラーがクリームがかっているものをクリーム系と呼ぶ。クリーム系のボディカラーにピンクの真珠効果が加わると、クリーム・ロゼィと呼ばれる。
黄金色に輝く真珠で、一般に巻きが厚く光沢も良く、近年人気を呼んでいる。
二枚貝の真珠貝で、真珠貝の中ではもっとも大きく成貝は30センチに達する。この貝から採れる真珠はホワイト、シルバー系またはゴールド系の大型のもので、オーストラリア、インドネシアで養殖される。
真珠の色調の分類の1つで、シルバーがかったホワイトの色調をもった真珠。
中国や米国で採れる淡水産二枚貝のドブ貝は殻が厚いので、これを丸くして養殖真珠の核として利用している。また淡水産二枚貝のイケチョウ貝は、有核または無核の良質な淡水真珠をつくる。日本では琵琶湖や霞ヶ浦で真珠養殖が行われている。
真珠は真珠質を分泌する貝の体内に異物が侵入した場合、その異物の周囲に真珠質を形成することによって、貝本体を保護する一種の病的生成物である。これを天然真珠という。養殖真珠はこの異物または成因を人為的に生じさせたもの。
養殖真珠のうち、一般にキズが少なく、形、巻き、照り、色が良く品質の高いものをこのように呼ぶが、明確な基準はない。
真珠の外形が非常にふぞろいで変形なもの。
真珠の色調による分類で、光の干渉によってピンクが生じ、その外観がピンクに見える真珠に対して使われる。しかし、他の色調であるクリーム系、シルバー系と遷移的である。
真珠の色調の分類の1つで、ボディカラーがブラウンを帯びたものの使われる。
真珠のボディカラーが黒系統のもので、ブルーの真珠をブラックと呼ぶことがあるが、あこや貝ではブラックは採れずクロチョウ貝からとれるのが黒真珠である。
真珠の色調の分類の1つで、ボディカラーがブルーの真珠。ブルー系の真珠の色調は、真珠層と核の間の有機質による。
真珠の色調の分類の1つで、ボディカラーがホワイトのもので、一般にホワイトのボディカラーにアラゴナイトによる光の干渉によって、ピンクがかった虹色がオーバー・トーンとして重なってくる。
真珠をつくりだす貝のこと。海水産ではあこや貝、黒蝶貝、白蝶貝、マベ及びアワビ、淡水産ではイケチョウ貝等を示す。
真珠をつくる契機が人為的なもの。真珠母貝の体内に貝殻でつくった核と外套膜の切片(ピース)を挿入してつくる有核と、真珠母貝の外套膜の中にピースを入れてつくる無核とがある。