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偽合成の特徴を示す特異な天然Ⅱ型ダイヤモンド

リサーチルーム 北脇裕士、久永美生、山本正博、江森健太郎

合成ダイヤモンドの鑑別には、標準的な宝石学的検査に加えて、多くの場合フォトルミネッセンス分析やDiamondView™などの先端的なラボの分析が必要である。本報告では、これらのラボラトリーの分析技術において合成に酷似した特徴を示す偽合成ともいえる天然Ⅱ型ダイヤモンドについて報告する(本報告は平成26年度宝石学会(日本)で講演した内容を一部加筆修正したものです)。

1.背景

2012年、アントワープの国際的なダイヤモンドグレーディングラボラトリーから大量ロットのCVD合成ダイヤモンドの報告があり、ダイヤモンド業界を賑わせた(文献1)。それ以降、インドや中国の検査機関からも相次いでCVD合成ダイヤモンドに関する報告がなされており(文献2)、当研究所からも非開示で持ち込まれた1ctupのC V D 合成ダイヤモンドについて報告を行った(文献3)。また、高圧法合成ダイヤモンドにおいてもA d v a n c e d Optical Technology Co.など無色合成ダイヤモンドの新たな提供者が現れて業界の関心を集めている(文献4)。
合成ダイヤモンドの鑑別には、宝石顕微鏡下における拡大検査、紫外線蛍光検査、歪複屈折の観察などの標準的な手法も不可欠であるが、多くの場合フォトルミネッセンス分析やDiamondView™などの先端的なラボの分析が必要である。
フォトルミネッセンス分析においては7 3 7 n mのS i – Vの発光ピークがC V D 合成ダイヤモンドの特徴であり、DiamondView™では天然とのモルフォロジーの相違によるセクターゾーニングが高圧合成ダイヤモンドの特徴となる。
本報告では、①フォトルミネッセンス分析においてS i – Vの発光ピークを示す天然Ⅱ 型ダイヤモンドと②DiamondView™の観察においてセクターゾーニングを示す偽合成ともいえる天然Ⅱ型ダイヤモンドについて報告する。

2.試料と分析方法

試料は、2012年後半から2014年前半までに分析を行った多数のⅡ型ダイヤモンドのうち、フォトルミネッセンス分析において737nmのSi-Vの発光ピークを示す天然ダイヤモンド9個(Min:0.123ct~Max:5.018ct, Ave.0 . 7 4 3 c t)とD i a m o n d Vi e w™の観察において高圧合成に誤認しやすい特徴を示す天然ダイヤモンド2個(0.376ct,1.117ct)である。また、同時期に検査した無色~ほぼ無色のCVD合成ダイヤモンド31個と無色~淡青色のHPHT合成ダイヤモンドおよそ300個を比較対象とした。
標準的な宝石学的検査に加えて、Ⅱ型の粗選別には自社で開発したDiamond-kensaを用い、赤外分光分析には日本分光製FT-IR4200を用いて分析範囲は7000-400㎝–1、分解能は4.0㎝–1で、20回の積算回数で測定を行った。フォトルミネッセンス(PL)分析にはRenishaw社製 inVia Raman MicroscopeとRenishaw社製Raman system-model 1000を用いて633nm(赤色)、514nm(緑色)、488nm(青色)および325nm(紫外)の各波長のレーザーを励起源に液体窒素に浸漬した状態で分析を行った。紫外線ルミネッセンス像の観察にはDTC製のDiamondView™を用いた。また、SEM-CLにはTopcon社製走査型電子顕微鏡SM-350を用いて試料は金蒸着を施して観察を行った。

3.結果と考察

①フォトルミネッセンス分析においてSi-Vの発光ピークを示す天然Ⅱ型ダイヤモンド 

フォトルミネッセンス分析における737nm(736.4/736.8nmのダブレット)の発光ピークはSi-Vがマイナスにチャージした欠陥であり、514nmレーザーよりも633nmレーザーで検出効率が高くなる。S(i シリコン)は、石英窓などのCVD合成装置に由来すると考えられており、現時点の商業生産の工程においては避けることが困難なようである(文献5)。 CGL(中央宝石研究所)には2012年後半~2014年前半までの間に総計31個のCVD合成ダイヤモンドが非開示で持ち込まれている。分析の結果、これらすべてに737nmピークが検出されており、現時点における有力なCVD合成の指標となることが確認されている。
しかしながら、天然ダイヤモンドにも737nmピークが検出される事例が報告されており(文献6)、我々もこの2年間で9個の天然Ⅱ型ダイヤモンドに737nmピークを確認している。Breedingらが報告しているように、フォトルミネッセンス分析において、天然で7 3 7 n mピークが検出されるものには、7 1 4 . 7、6 5 1 . 1、6 4 9 . 4、5 9 3 . 3、573.5、557.9、554.3、550.4、524.4nmなどのCVD合成ダイヤモンドには見られない一連のピークが付随する。
これらのピークはSiに関連したものと考えられているが、現時点において詳細は不明である。我々が確認した9個の試料にもすべてにおいてこれらの付随ピークが認められており、天然起源の有効な指標となる(図1)

図1
図1.天然II型ダイヤモンドに見られる737nmピーク: 714.7、651.1、649.4、593.3、573.5、557.9、554.3、550.4、524.4nmなどの多数のピークを伴う。

 

図2に737nmピークを有する天然およびCVD合成ダイヤモンドの637nm(NV)と575nm(NV0)のそれぞれの半値幅(FWHM)をプロットしたものを示す。これらの半値幅はダイヤモンド結晶に内在する歪の大きさを示す指標となることが知られている。全体的に天然・合成とも637nm(NV)と575 nm(NV0)の半値幅に正比例的な相関が認められる。CVD合成ダイヤモンドはそれぞれの半値幅が0.2~0.4付近に集中しており、Wangらが示したGemesis製のものに近似している(文献7)。いっぽう、天然ダイヤモンドはより幅広い領域にプロットされている。

図2
図2.737nmピークを有する天然およびCVD合成ダイヤモンドの637nm (NV) と575nm (NV0) の半値幅比

 

図3は7 3 7 n mピークの半値幅と強度の関係をプロットしたものである。ピーク強度はレーザーパワーとRenishaw標準シリコンのピーク強度で補正している。半値幅は天然ダイヤモンドが0.3~0.7までの範囲にあり、CVD合成ダイヤモンドは0.6~0.9までの広がりがある。ピーク強度は概してCVD合成ダイヤモンドの方が天然よりも高い。

図3
図3.737nmピークを有する天然およびCVD合成ダイヤモンドの737nmピークの半値幅と強度

 

図4は737nm/575nm半値幅比と強度比をプロットしたものである。半値幅比は天然ダイヤモンドが0.5~3.2であるのに対し、CVD合成ダイヤモンドは2~3.5である。また、強度比は概してCVD合成ダイヤモンドの方が天然よりも高い。

図4
図4.737nmピークを有する天然およびCVD合成ダイヤモンドの737nm/575nm半値幅比と強度比

 

フォトルミネッセンス分析における737nmのピーク強度は、CVD合成ダイヤモンドでは測定部位に関わらずほぼ一定である。これは商業的な合成方法において成長時の環境変化が少ないことが要因と考えられる。天然ダイヤモンドにおいては、しばしば測定部位においてピーク強度が変化する。今回737nmピークが検出された天然ダイヤモンドは、9個のうちSI以下のクラリティのものが5個でVS以上が4個であった。クラリティの低いものには結晶包有物が見られ、ラマン分光分析でオリビンであることが確認された。しかし、オリビン結晶包有物と737nmピーク強度には相関が認められなかった。天然Ⅱ型ダイヤモンドは一般に結晶包有物が少ないことが知られており、Si-Vを形成する成長環境の詳細は不明である。

 

②DiamondView™の観察においてセクターゾーニングを示す天然Ⅱ型ダイヤモンド

DiamondView™による紫外線ルミネッセンス像の解析は、ダイヤモンドの天然・合成の判断にきわめて重要である。天然ダイヤモンドは{111}で形成された八面体の晶癖を示すのが一般的であるが、金属溶媒を用いた高圧法合成ダイヤモンドでは{111}と{100}の集形であることが多く、{110}や{113}等の面を伴うことがある。また、天然Ⅱ型ダイヤモンドでは塑性変形に起因するディスロケーションネットワークによるモザイク模様が観察される。
図5は0.376ctと1.117ctの2個のダイヤモンドのDiamondView™による紫外線ルミネッセンス像である。これらは別々の時期に異なるクライアントから供されたダイヤモンドである。両者ともにわずかに緑色味を含む青色のルミネッセンス色と同系色の燐光が観察された。また、双方とも明瞭なセクターゾーニング(成長分域)が認められ、一見すると高圧合成ダイヤモンドに類似している。また、共に白色の微小包有物に因るクラウドを内在している。

図5
図5.高圧合成ダイヤモンドに類似した紫外線ルミネッセンス像を示す天然II型ダイヤモンド

 

図6
図6.0.376ct のDiamondViewTM像とSEM-CL像を比較

 

図6は0.376ctのDiamondView™像とSEM-CL像を比較したものである。DiamondView™像では明るく発光している領域がSEM-CL像では暗く、コントラストが逆になっている。これはDiamondView™の短波長の紫外線ではホウ素に起因する発光が強くなるのに対し、S E M – C Lの電子線ではバンドAを強く発光させるためと考えられる。SEM-CL像ではコントラストの暗い領域に直線的な成長縞が観察され、この領域が{111}のスムーズな界面での成長領域に相当すると考えられる。また、ややコントラストの明るい領域はジグザグ状の構造が見られ、{100}のラフな界面による成長領域と考えられる。
図7はこれら2個のダイヤモンドの赤外分光スペクトルである。3754, 3625, 2376, 653㎝–1にCO2 関連の吸収が認められる。天然ダイヤモンドの赤外スペクトル中のCO2ピークは1993年に報告されており、このときは高圧下でのCO2の固体包有物と考えられていたが(文献8)、最近では結晶格子中に結合したものとの見解もある(文献9)。また、1,000~1,500㎝–1の窒素領域にいくつかの吸収が見られるが、AおよびBセンタに一致しない。したがって、これらのダイヤモンドはⅡ型であり、1,000~1,500㎝–1のいくつかの吸収は炭酸塩鉱物の微小包有物に由来するものと考えられる。
DiamondView™像において一見高圧合成ダイヤモンドのセクターゾーニングのように見えるこれら2個のダイヤモンドは、天然Ⅱ型ダイヤモンドがCO2などの過飽和度の高い環境下で成長したため生じた{111}と{100}が共存するMixed-habit g rowthと考えられる。

図7
図7.赤外分光スペクトル:3754,3625,2376,653cm–1にCO2関連の吸収が認められる
4.まとめ

CVD合成およびHPHT合成ダイヤモンドの鑑別には標準的な鑑別手法に加えてフォトルミネッセンス分析やDiamondView™などの先端的なラボの分析が必要である。本研究ではこれらの先端的な分析において合成に酷似した特徴を示す偽合成ともいえる天然Ⅱ型ダイヤモンドの特徴をまとめた。
2 0 1 2 年以降、当研究所において鑑別を行った無色~ほぼ無色のC V D 合成ダイヤモンド3 1 個すべてに737nmピーク(736.4/736.8nm)が検出された。これらはCVD合成装置の石英ガラス由来と考えられる。いっぽう、同期間に分析を行った天然Ⅱ型ダイヤモンドにも9 個にS i – Vの発光ピークが検出された。これらには714nm他の多数の付随ピークが見られた。
別々の時期の異なるクライアントから供された2個の天然Ⅱ型ダイヤモンドに、DiamondView™において帯緑青色の発光色と燐光を伴う明瞭なセクターゾーニングが観察された。これらは一般的に高圧合成ダイヤモンドの証拠となるが、拡大下においてクラウドを伴い、FT-IRにて特有のピークを示すCO2を内在する天然ダイヤモンドであることが判った。
以上のように、フォトルミネッセンス分析やDiamondView™などのラボラトリーの技法において、天然Ⅱ型ダイヤモンドに合成と酷似した特徴がみられることがある。したがって、合成ダイヤモンドの鑑別には、標準的な鑑別手法と先端的な分析技術を集積した慎重な判断が必要である。

5.文献

1.Even-Zohar C. (2012) Synthetic specifically “made to defraud”. Diamond Intelligence Briefs, vol.27, No.709, pp7281‒7290
2.Song Z., Lu T., Lan Y., Shen M., Ke J., Liu J and Zhang Y. (2012) The identification features of undisclosed loose and mounted CVD synthetic diamonds which have appeared recently in the NGTC laboratory, Journal of Gemmology, vol.33, No.1-4, pp45-48
3.Kitawaki H., Y amamoto M., Hisanaga M., Okano M., Emori K. (2013) Undisclosed sample of large CVD synthetic diamond. G&G, V ol.49, No.1, pp60-61
4.D’Haenens-Johansson U.F.S., Moe K.S., Johnson P., Wong S.Y., L R and Wang W. (2014) Near colorless HPHT synthetic diamonds from A OTC g roup. G&G, V ol.50, No.1, pp30-45
5.Eaton-Magana S and D’Haenens-Johansson U.F.S. (2012) Resent Advances in CVD synthetic diamond quality. G&G, Vol.48, No.2, pp124-127
6.Breeding C.M. and Wang W. (2008) Occurrence of the Si-V defect in natural colorless gem diamonds. Diamond and Related Materials, v ol.17, pp1335-1344
7.Wang W., D’Haenens-Johansson U.F.S., Johnson P., Moe K.S.,Emerson E., Newton M.E., Moses T.M. (2012) CVD synthetic diamonds from Gemesis Corp. G&G, V ol.48, No. 2, pp80‒97
8.Schrauder M and Nav on O . (1993) Solid carbon dioxide in a natural diamond. Nature, V ol.365, pp42-44
9.Hainschwang T., Notari F., Fritsch E., Massi L., Rondeau B., Breeding C.M and Vollstaedt H. (2008) HPHT treatment of CO2-related brown diamonds. Diamond & Related Materials, V ol.17, pp340-351

平成26年度宝石学会(日本)【講演会・総会・見学会報告】

[講演会・総会報告]  北脇 裕士
[見学会報告] 江森 健太郎

平成26年の宝石学会(日本)講演会・総会が6月14日(土)に愛媛大学の城北キャンパス内の愛媛大学ミュージアム(愛大ミューズ)で開催されました。また、翌日の6月15日(日)には恒例の見学会が行われました。

本年度の総会・講演会は愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター長の入舩徹男教授の計らいにより同大学ミュージアム内の講堂を借用して行われました。入舩先生は世界的に著名な研究者で、超高圧実験を通して地球マントルや沈み込むプレートの構造と運動の解明に成果を挙げられています。また、高硬度のナノ多結晶ダイヤモンド(Nano-polycrystalline diamond, NPD )の開発者としても知られており、地球科学の世界に留まらず新素材の分野からも注目されています。これらの業績において多くの関連学会から表彰され、愛媛大学からは特別栄誉教授の称号を得られています。本学会においては『超高圧で創る多結晶ダイヤモンド~「世界最硬」ヒメダイヤの合成と応用~』との題目で特別講演をお願いしました。

特別講演中の入舩徹男博士
特別講演中の入舩徹男博士

14日(土)は午前9時から登録受付が開始され、9時30分から18時30分まで一般講演1 4 題が行われました(それぞれの演題については前号のCGL通信No.21をご覧ください)。
中央宝石研究所からはリサーチルームの久永所員が今号のP1~6にて掲載致しました『偽合成の特徴を示す特異な天然Ⅱ型ダイヤモンド』について講演を行いました。
本年度の講演会参加者はおよそ50名。内訳は鑑別技術者を中心に業界団体職員、大学・研究職者、宝飾業者および学生で、20代~80代までの幅広い年齢層が参加していました。
昼食後の空き時間には入舩先生のご厚意により創石実験室と命名された研究室を案内いただきました。ここには2009年に導入された世界最大級のマルチアンビル装置BOTCHAN-6000や高圧変形装置MADONNAⅡが設置されており、地球深部に迫る最先端の高圧実験が行われています。

マルチアンビル装置BOTCHAN-6000
マルチアンビル装置BOTCHAN-6000

さらに愛媛大学ミュージアムは自由見学が可能で、ここには創石実験室で生み出されたヒメダイヤが展示されており、見学者の注目を集めていました(展示品はカット研磨されていますが、ヒメダイヤは宝飾用としての用途は考えられていないとのことです)。このミュージアムは大学付属の博物館としては展示物の種類や内容がきわだって豊富です。地元の方々には無料で開放されており、愛媛大学の学術研究成果が積極的に発信されています。

愛媛大学ミュージアムに展示されているヒメダイヤ
愛媛大学ミュージアムに展示されているヒメダイヤ
博物館の展示品を熱心に見学する学会参加者
博物館の展示品を熱心に見学する学会参加者

総会においては昨年行われた評議員選挙の結果、新会長となられた神田久生博士が冒頭の挨拶をされ、今後の抱負を述べられました。 そして旧役員への謝意を表して、前会長の宮田雄史氏には感謝状が、真珠科学研究所の小松博氏と中央宝石研究所の堀川洋一氏に記念品が贈られました。その後、本年度の奨励賞が日独宝石研究所の古屋正貴氏に授与されました。

総会で挨拶をされる神田久生新会長
総会で挨拶をされる神田久生新会長

講演会終了後、午後7 時から同ミュージアム内の「セ・トリアン」に場所を移して懇親会が開かれました。講演会での緊張から解かれ和やかな雰囲気の中、参加者同士の交流が深められていました。

2日目は愛媛県総合科学博物館と別子銅山跡(マイントピア別子)において見学会が行われました。愛媛県総合科学博物館は、愛媛県民に科学技術に関する正しい理解を深めるための学習機会を提供し、科学技術に裏付けされた創造的風土の醸成を図るとともに、科学技術の進歩と愛媛県産業の発展に寄与することを目的として平成6年11月に愛媛県新居浜市にオープンしました。

愛媛県総合科学博物館
愛媛県総合科学博物館
展示されていた鉱物サンプル
展示されていた鉱物サンプル

屋外展示、科学技術館、産業館、自然館、プラネタリウムといった施設があります。自然館は宇宙のゾーン、地球のゾーン、愛媛のゾーンの3つに分けられ、動く恐竜模型や愛媛県に生息する動植物に関する展示がありました。また、鉱物標本類も充実しており見学者達を楽しませていました。
科学技術館は素のゾーン、生のゾーン、伝のゾーン、動のゾーンがあり、それぞれ体験装置を配置。楽しく物理実験ができる装置が多いのが特徴です。産業館は伝統産業と基幹産業の2つのゾーンがあり、愛媛県の伝統特産品についての紹介等がありました。

午後は別子銅山跡、マイントピア別子へと移動し、砂金採り体験と鉱山見学を行いました。別子銅山は1690年(元禄3年)に発見され、翌年から1973年(昭和48年)まで約280年間に70万トンを産出し、日本の貿易や近代化に寄与した銅山です。一貫して住友家が経営し、関連事業を興すことで発展をつづけ、住友が日本を代表する巨大財閥となる礎となりました。
砂金採り体験は用意された水槽に砂が敷かれており、その中に砂金が入っています。その砂金をパン(皿)で探し、採取するものです。

砂金採り体験の様子
砂金採り体験の様子
別子銅山入口
別子銅山入口

その後、旧火薬庫を利用して作られた333mの観光坑道を見学しました。坑道内には江戸時代の別子銅山に関する展示がある江戸ゾーン、明治以降近代化が進み世界有数となった別子銅山をテーマにした近代ゾーン、別子銅山での作業内容を遊びの中から学習できる遊学パーク体験ゾーンの3つがあります。別子銅山の歴史を体験しつつ学ぶことができ、好評でした。
愛媛県総合科学博物館、別子銅山跡共に鉱物とその歴史について多く学ぶことができ、見学会に参加された方々には大変有意義な一日となりました。