ワールドニュース

残暑お見舞い申し上げます。
マーケットも夏休みということで今回は、各国の皆様に夏休みの過ごし方についてお話を伺いました。(夏休みの期間・過ごし方、夏の風習・慣習、夏のトピック、今一番ホットな場所、一番の話題など)

イスラエルHoliday

<夏休みの期間>
夏休み8月6日から27日まで取引所は完全に休みで、それに合わせて業者の方々もお休みが多いようです。それにしてもほぼ3週間のお休みとはうらやましい限りです。

<夏休みの一般的な過ごし方>
国内旅行(リゾート地のエーラットや死海)に出かけて、家族サービスをするのが一般的な夏休みの過ごし方です。家族サービスは世界共通ですね。

<イスラエルの風習>
高校を卒業後、すぐに兵役(男性3年、女性2年)に入るイスラエルは、兵役後、仕事に就く前に世界各国を旅して歩く人が多いと聞きます。主な行き先は、インド、ネパール、カトマンドゥー、タイ、オーストラリア、そして日本などを2ヶ月から1年かけて巡ります。彼らはその国でアルバイトをしてお金を稼ぎ、次の国への資金
にするという商売上手です。聞いた話では、日本の路上で犬や人形に形作った風船を子供達に販売し、1日2万円も儲けていたとか。ダイヤモンドの商売も手強い相手なわけですね。

香港Holiday

夏休みという習慣はないようです。

<香港の風習・慣習>
香港の夏は大きな行事はありませんが、秋には「中秋節」という行事があります。家族連れがランタンを持って公園などに集まり、秋の夜を明け方まで、にぎやかで楽しい時を過ごすのです。その晩、香港の地下鉄は終夜営業します。この時期、お世話になった方に対して「月餅」を贈るという日本のお中元のような習慣があり、街は月餅であふれています。

<今一番のホットなお店>
香港はイギリスから返還後、今年で10周年を迎えました。レストランの種類が格段と増えて、中華料理に加え、四川料理、北京料理、上海料理、韓国料理、また日本の料理は一大ブームです。居酒屋までも日本の味そのままが味わえるまでになりました。とりわけ回転寿司は香港のカップルを中心に行列の出来るお店として大人気です。ただ日本の回転寿司を知っている人にとっては、驚くほどの値段です。円安やユーロ安の影響により、世界の中でも現在の日本ほど安価でおいしい食事にありつける国も少ないと実感しています。

アメリカHoliday

<夏休みの期間>
アメリカにおける社会人の夏休みは平均的に2週間程度。1週間の休みを2回取る人や中には4週間も取る人もいるようです。アメリカの会社は、日本のように有給休暇は年間で何日と決まっているわけではなく、お給料が支払われる度に1日有給休暇をもらえるという感じ。一般的に給料は2週間毎に支給されるので、有給休暇も月2日ずつ増えていきます。よって就職・転職したばかりの人はあまり休めないということになっています。

<夏休みの一般的な過ごし方>
基本的には、やはりバケーションに行く人が多いようです。少し遠出をしてビーチやナショナルパークなどへ出かけます。友人の話では、タイムシェアのコンドミニアム(1年間に何週間か使う権利があるという物件)を持っていて、そこに出かけると聞きました。日本のお盆のように親族全員で集まるのはサンクスギビングやクリスマスなので、夏休みは家族だけで旅行に出かけたりすることが多いようです。

<夏の風習・慣習>
アメリカ人は野外が好きなような気がします。レストランではどんなに暑くてもテラス席が大人気。公園ではバーベキューパーティー。その他、野外コンサートやシアター、夏はいろいろな野外イベントが盛りだくさんです。友人家族は昨年、ワシントンで開催された無料のドライブインシアターに出かけたそうですが、映画が始まるまで、子供用の輪投げやトランポリンなど、日本の縁日みたいな感じだったそうです。夏が一番盛り上がるのはやはり7月4日(独立記念日)で、いろいろな場所で花火が打ち上げらます。会場近くに早くから場所取りをして、そこでお弁当を広げたりします。近所のコーヒーショップやアイスクリーム店でも店外まで長い列ができていたそうです。

<今一番のホットな場所やお店>
やはりアメリカも回転寿司!ワシントンポストで紹介されていた店に出かけた友人家族の感想ですが「この程度のネタでこのこんなに高いの?」と言っていました。しかし店内は意外にも満席で、一人で食べに来ている年配の方までいましたが、日本人は全くいなかったそうです。ワシントンでは回転寿司のお店が立て続けに2店舗開店したそうで、ちょっとしたブームなのかもしれません。

ベルギーHoliday

<夏休みの期間>
子供たちの学校は7月初旬から夏休みに入り(2ヶ月位、大学に至っては3ヶ月近く)また、就労者も年に3~5週間の休暇がもらえるのでこれを夏休みに使うようです。

<夏休みの一般的な過ごし方>
やはり欧州の人たちも夏には、バカンスに出かけることが多いようです。旅行先としては、いつでも大人気のスペイン、イタリア、フランス。意外なところではデンマークやスウェーデンなどの北欧や、ギリシャやキプロス島など地中海側の国も人気があります。天気が悪いベルギーからは抜け出したい人が多いのかもしれません。北欧の国の人はアジア、フィリピンやタイに行く人が多いそうです。

<夏の風習・慣習>
夏はどの国でも、お祭りは多いもの。ベルギーでも7月から9月にかけて、どんなに小さな街でも音楽や映画、また食べ物など何らかのフェスティバルがあります。ヨーロッパではベルギー以外でも、音楽祭はとても盛んです。中でもウィーンやプラハは有名で、街をあげて大々的にライヴステージを建てて開催されます。しかしオペラだけは室内芸術なので夏よりも秋や冬に催される場合が多いようです。お国柄が出るなと思うのは「お祭り屋台フード」です。揚げドーナッツ、ワッフル、リンゴ飴、ソーセージブレッド、ハンバーガー、ケバブ、大きなフライパンで作られたパエリア、牛の丸焼き・・・といった食べ物が並びます。日本ではカキ氷などのさっぱりした物が多いような気がしますが。

インドHoliday

<夏休みの期間>
秋のディワリが一番のお休みである彼らにとっては、夏休みは所属している組織によってかなり違いがあるようです。例えば大企業に勤める人やダイヤモンドに関わる人達にとっての夏休みというものは原則的には無し。個人経営者の中には1~2週間休みを取って夏のバカンスに出かける人達もいるようです。

<夏休みの一般的な過ごし方>
もし休みが取れたら実家に帰省したり、旅行に出かけたりと日本とほぼ同じです。

<夏の風習・慣習>
夏といえばエアコン。常夏の国々の冷房温度は日本とは比べ物になりません。日本では環境への配慮から、クールビスも定番化、室内温度28度が推奨され、電車は「弱冷房車」もある日本に対し、インドを含む東南アジアの国々の長距離電車やバスのエアコン車ではほとんどが「最強冷房車」です。それはオフィスでも同様で、約1
0℃といったところで、体感温度が違うとしか思えないほどです。外は半袖シャツ一枚でも汗だくなのに、オフィスに入ると同時に汗はスッと引き、長袖のシャツを着ていても、しばらくするとブルブル震えてきます。冷房で風邪をひくということはないのでしょうか。

<今一番のホットなお店>
世界中で日本食がブームですが、その中でも最高級な部類に入るのがムンバイに出来た「WASABI」という日本料理店です。食材はすべて空輸、シェフも日本人が常駐。メインシェフの森本氏はかつての「料理の鉄人」。しかし、これが結構なお値段なのです。空輸となれば仕方がないかと思いきや、森本氏いわく「インドの関税は67.5%も取られるから、まったく儲からない」とのことでした。


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小売店様向け宝石の知識「クンツァイト」

クンツァイト・Kunzite

クンツァイトは、ライラック・ピンク(lilac pink)の色合いが美しく、それに加えて、さわやかな透明感がある宝石です。大きくカットされた石はとくに魅力的である。このクンツァイトの持つデリケートな色味は、多くの宝石コレクターや宝石愛好家によって賞玩されている。
この宝石名は、ニューヨーク5番街にあるティファニー宝石店の副社長であった当時から有名な宝石の権威者のジョージ・フレデリック・クンツ博士の名前に因んで命名された。
宝石名には有名な人名や採掘された地名に、「石」を表わすアイトiteを接尾語として名付けられたものがあり、その由来がわかりやすい。モルガナイト、タンザナイトなどこの種の宝石名は数多くある。クンツァイトもその一つでクンツ博士の宝石学者としての名声を後世に残している。
宝石の歴史は古いが、このクンツァイトはたいへん新しく、20世紀初頭に発見されている。
ラベンダーの色味のあるピンクが持ち味で、スポジュメン・Spodumenと呼ばれる鉱物の一変種である。この鉱物は、ほかにエメラルド・グリーンのヒデナイト・hiddeniteやイエロー・スポジュメンなどの変種がある。
スポジュメンというのはギリシャ語の「焼いて灰になる」という言葉に由来しており、この鉱物が最初に発見されたときの外観を指している。最初はリチウム金属あるいはその化合物の原料にするくらいで、宝石としての用途は無いだろうと考えられていた。
しかし、クンツァイトのような宝石になる種類が発見され、エメラルド・グリーンの緑色のヒデナイトなどが発見されるに及んで、スポジュメンは宝石学上、重要な鉱物となった。ヒデナイトもその発見者であるウイリアムE・ヒデンの名前に由来している。
主成分はリチウム・アルミニウム珪酸塩で単結晶に属し、扁平な柱状結晶で産出される。
硬度は7であるが、劈開・クリベージの性質があり、もろく割れやすいので丁寧な取扱いが必要だ。劈開・クリベージの性質のためファセット・カット、すなわち面加工研磨は難しく、さらに結晶が薄い板状であるために。色合い良くカットするのは大変な作業になる。このため一般に厚くカットして、色合いを濃くしている。
クンツァイトのピンク色はデリケートである。太陽光線に長く晒されると紫外線で自然に褪色することがある。
クンツ博士によって宝石質のスポジュメン鉱物の一変種であるクンツァイトがカリフォルニア州サン・ディエゴ郡メサ・グランデで発見されたのち、同じくカリフォルニア州のほかの鉱山からも多量に発見され、それ以後カリフォルニアはクンツァイトの重要な産地となっている。マダガスカル、ミャンマーでも産出する。ブラジルのミナス・ジェライス州でもイエロー・スポジュメンは産出するが、クンツァイトの産出量はきわめて少ない。
クンツァイトの屈折率は多少変動するが1.660~1.676。通常の複屈折率は、約.016である。光学的特性は二軸性のポジティブ。分散度は非常に低い(.017)。比重は3.18、モース硬度は7。クンツァイトは薄紫からほとんど無色に等しい色の強い二色性を示す。これは石または結晶を回転させれば肉眼で観察できる。色は結晶の長い方向において濃く、それと直角のなす方向においてほとんど無色である。蛍光は強い。特殊効果は別になく、特徴的なインクルージョンもない。酸には侵されないが、枠付けのときの火炎で溶融することがあるので高温には要注意である。
クンツァイトはピンクの色合いが優しい。クリーンイメージのすっきりした透明感がある宝石。若い女性に人気がある。価格も手頃である。指輪につくられたクンツァイトは、若い女性の指が動き回転するたびにピンク色の中にすみれ色がかかって見えたり、無色に見えたりする。優しい色合いとすっきりした透明感を見せる宝石である。
結婚前のお付き合いの時機に、愛する彼女に是非贈り物にしたい宝石。清潔感あふれるすっきりした明るいピンクの宝石である。

「楽しいジュエリーセールス」
著者 早川 武俊

ラボトピックス「ブラウンのHPHTプロセスダイヤモンド」

ブラウンのHPHTプロセスダイヤモンド

既にご存知の事と思いますがHPHTプロセスにはI型のダイヤモンドを対象にしたものと、II型のダイヤモンドを対象にしたものに大別されます。I型のダイヤモンドは主な不純物として窒素や水素を含み、可視領域で様々な吸収を起こし、それがダイヤモンドの着色原因に成っています。II型のダイヤモンドは不純物を殆ど含まない無色のものや、塑性変形に因ってブラウンやピンクになるもの、或いは不純物としてホウ素を含みグレーやブルーになるものがあります。
I型のダイヤモンドのHPHTプロセスは、不純物の窒素の結合を高温高圧状態に置く事で、解離と再結合を誘発させ新たなカラーセンターを作り出し色を変化させています。II型の場合はI型とは異なり、塑性変形を修復する事でブラウンの石を無色にしたり、また稀にピンクに変化するものもあります。ホウ素を含むIIbタイプと呼ばれるものは、褐色味を取り除く事で、石が本来持っていたブルーの色をより鮮明にさせるこよも可能です。
今回ご紹介するのはII型のHPHTプロセスされたものですが、ブラウンの色調がありカラーグレードではIカラー相当のものでした(写真1・2)。処理した石にしては何とも微妙な色と言えますが、現実にこの程度の色調のグレードであっても、HPHTプロセスされたダイヤモンドがあると言う事を知っておく必要があります。さらにこれよりもブラウンの色の濃いものが存在する可能性も一概に否定することはできません。この石が無色化に失敗したものなのか、或いはこれ以上処理をしても変化しない性質のものなのかは、処理をした当事者以外知りようがありません。石の特徴としては、内部に薄く褐色の色帯があり、これが石の色に反映されていると思われます。また偏光下での検査では弱い干渉を示しました。蛍光は長波紫外線には弱い青色蛍光を示しましたが、短波紫外線に対しては不活性でした。

写真1

写真2



II型のブラウンのダイヤモンドは、HPHTプロセスをする前のものという認識が一般的で、検査の必要性に疑問を持たれるかも知れません。しかし今回のような例もあり、たとえブラウン味をもつ石であっても処理が施されている可能性がある以上、十分な注意をはらい確実に件さを行う必要があるのではないでしょうか。

小売店様向け宝石の知識「ジェット」

ジェット・Jet(黒玉)

ジェットは独特のぬくもりと気品ある有機質宝石です。格調高くしっとりとした“漆黒の輝き”(Deep glossy black gem)、黒色の純粋さを持ち、肌にやさしい感触、日常のおしゃれ場面にもなじむ、親しみやすい宝石です。ただし強い酸に触れると表面は鈍くなり、宝石商のトーチの熱で燃えて不愉快な臭いを発するので丁寧な取扱いが必要です。
ジェットは1億8千年前のジュラ紀に生息していた松柏科の樹木が化石化したもので、石炭層から見つかります。
摩擦により帯電する性質から「ブラック・アンバー」と呼ばれたりします。真珠と同じく人間によって発見された最初の宝石のひとつで長い間人類が使ってきました。各時代に応じて人気があります。ジェットはリグナイト(Lignite)(大部分が炭素)として知られる石炭の一種で、比較的柔らかく、細工がしやすいこと、美しい光沢が装身具の素材に適していたようです。さらに粘りと弾力性があり、輝くように磨き込むと、有機質素材独特の美しい艶・てりが出ます。スペイン、ドイツ、米国、カナダにも産出するが、最高品質のジェットを常に産出しているのは英国のウイットビーやヨークシャー付近の海岸やそこに近い頁岩中からです。初期のジェット工芸品は、南ドイツとスイスの旧石器時代の洞窟で発見された動物の形をした小さな魔除けで、紀元前1万年前のものといわれています。英国のヨークシャーでは、昔からたくさん発見され、紀元前よりジェットが装身具として使われていたことが分かっています。
ジェット独特の艶・てりは持続性があるので、4000年前の発掘品も、あたかも昨日作られたかのように美しい光沢を保持しています。中世には十字架のペンダント、腕輪、ブローチ、ロザリオなど教会に関連するジュエリーとして使われていました。
しかし、ジェットがその魅力を最大限に発揮し、流行しだしたのは19世紀に入ってからで、英国ではウイットビーを中心にジェット研磨加工場が作られ、とくにビクトリア時代には英国王室がモーニング・ジュエリーとして使ったことから、ジェットは大流行しました。1861年にアルバート公の死によって、ビクトリア女王は長く深い喪に服しました。その間、ビクトリア女王が自ら身につけたジュエリーがウイットビーで作成されたジェットでした。ビクトリア女王に謁見する女性たちも同じようにジェットを身につけることを言い渡されました。こうした時代背景のもと、ジェットはビクトリア時代に大流行したのです。モーニング・ジュエリーとは、喪に服する期間に、故人を追悼するために身につけられる装身具を指しますが、ヨーロッパでは英国を中心に15世紀から身につけたようです。現在、日本の皇室においてもジェットは、正式なモーニング・ジュエリーのひとつとして用いられています。
喪服の胸元に真珠の一連ネックレスに添えてつけるジェットのブローチは、女性に一層印象深さを与えます。
ジェットは、ビクトリア時代を背景にモーニング・ジュエリーとして歴史的に価値ある有意義な宝石です。黒いジュエリーは、ややもすると冷たい印象になりがちですが、ジェットはその素材がもつ独特の柔らかみのある艶・てりが反対に暖か味を感じさせます。最近、英国のウイットビーで研磨加工された、ビクトリア時代に流行した当時と全く同質のビクトリアン・ジェットが日本へも本格輸入されるようになりました。デザインにおいても貴重なアンテイ―ク感覚に再現され、人気を博し話題になっています。
ジェットは、葬儀の席に正式なモーニング・ジュエリーとして身につけることが許される数少ない宝石のひとつとなっています。古来日本では故人を偲ぶ習慣があり、そのような法事の席や弔問などの場合に、英国のビクトリアン・ジェットのネックレスやブローチを胸元につけるのも、十分故人を偲ぶモーニングを表現できます。
真珠とジェットを併用するのもよいでしょう。近年、パリ・コレクションを中心にアンテイ―クとしてジェト・ジュエリーがファッション・ジュエリーとして注目され、この美しい艶・てりをもつ黒いジュエリーが、流行の最先端のファッションを引き立て話題になりました。その後幾度となく、ジェットはコレクションやファッション誌に話題の宝石として登場しています。
ジェットは、これからもモーニング・ジュエリーの枠を越えて、個性的なファッション・ジュエリーとして幅広く愛用される宝石になるでしょう。

「楽しいジュエリーセールス」
著者 早川 武俊

ワールドニュース

イスラエルNews

5月のイスラエルの研磨済みダイヤモンドの輸出量は前年同月期より10%アップ
5月の研磨済みダイヤモンドの輸出量は、金額ベースで2005年の同月期と比べ9.5%アップの8億8000万ドルに達しました。数量(ct)ベースでも48万7906ctsと6.4%増加でした。逆に5月の研磨済みダイヤモンドの輸入は、金額ベースで2005年同月期と比べ6%減少し3億2700万ドルでした。数量(ベース)でも27万8676ctsと18%減少しました。5月のダイヤモンドの原石の輸出は、金額ベースで2億6700万ドルで33.7%減少し、数量(ct)ベースで120万ctsで59%減少しました。5月のダイヤモンドの原石輸入は、金額ベースで4億4600万ドルと17%減少しました。数量(ct)ベースでも120万ctsと38%の減少です。2006年初来のイスラエルの研磨済みダイヤモンドの輸出合計は1.5%減少して30億ドルになりました。数量(ベース)でも180万ctsと11.4%減少しました。ダイヤモンド原石の輸入もラフの不足と高い価格が影響して11.6%減少して、19億ドルになり、数量(ベース)でも630万ctsと23.7%減少しました。イスラエルの研磨済みダイヤモンドは、アメリカ合衆国向けが69%、香港向け13%、ベルギー向け6%、スイス4%、イギリス向け2%にもなります。その内訳は、金額ベースでアメリカ合衆国向け19億ドル、ベルギー向けは、15%減少の2億1600万ドル、香港向けは10%増加の4億3360万ドル、スイス向けは5.4%減少の1億1890万ドルになりました。5ヶ月間のイスラエルのダイヤモンド原石輸入の1ctあたりの価格は1ctあたり374ドルで34%高騰し、イスラエルの研磨済みダイヤモンドの輸出の1ctあたりの価格は、1805ドル/ctで3%上がりました。

M-レポート

-6.5,wh/SI+、selling mainly to regular buyers of these articles, 1/10-1/6,wh/PQ、 relatively slow, 1/4-1/3,wh/PQ、 soft demand, 3/8-1/2,D-J/VS+,good makes、 high demand, 3/4、 across the board, good demand, 1ct-5cts,wh/PQ、 including goods for treatment, selling well, 4/4,D-K/VS+、 slow, 2ct-10ct(mainly 3cts+), D-M /SI3+、 heavy demand against short supply

アメリカNews

2006年4月の米国の研磨済みダイヤモンドの輸入量は前年の1.5%減少
米国国勢調査局によって発表された2006年4月の研磨済みダイヤモンドの輸入量は、金額ベース合計11億1800万ドルで前年より1.5%減少しました。逆に2006年4月の研磨済みダイヤモンドの輸出量は金額ベースで4.7%の伸びを示し6億1500万ドルです。数量(ct)ベースでも33%上昇し227万1000ctsに達しました。
2006年初来の研磨済みダイヤモンドの輸入量合計は前年同期比より12%増えて52億2800万ドルに達しました。2006年初来の研磨済みダイヤモンドの輸出量合計は前年同期比より15%増えて29億200万ドル、数量(ct)ベースでも938万2000ctsに達しました。2006年4月のダイヤモンド原石の輸入は、金額ベースで5200万ドルでした。前年比で24%の減少です。ダイヤモンドの原石輸出も、金額ベースで1500万ドル、29%の減少でした。2006年初来のダイヤモンド原石の輸入量合計は前年同期比より26%下がって2億1100万ドルに達しました。逆に2006年初来のダイヤモンド原石の輸出量合計は前年同期比より44%増えて1億ドルに達しました。

M-レポート

-2 to -6.5,wh to TTLC and TTLB/VS to PQ、 slow, +6.5,across the board、 was slow, 1/10-1/6、 across the board, selling consistently, 1/4-1/3,D-I/SI to PQ、 slow, 1/2-3/4, across the board、slow, 0.90-0.99,H-I/SI1,certified stones、 good demand, 4/4,G-I, $2000-$2500/pc, non-certified stones、moving well, 4/4,D-H/VS+, certified stones with good makes、selling well, 1.25-2.25cts,G-I/SI1-SI2、 non-certified stones、 good demand, 2-3cts,across the board, certified and non-certified stones、 heavy demand

ベルギーNews

5月のベルギーの研磨済みダイヤモンドの輸出量は前年同月期より12%アップの9.06億ドル
HRDダイヤモンドオフィスによって発表された数字によると5月の研磨済みダイヤモンドの輸出量は、金額ベースで12%増加の9億630万ドルに達しました。数量(ct)ベースでも82万5139ctsと前年同月期とほぼ同じでした。
5月の研磨済みダイヤモンドの輸入量は、金額ベースで9%増加の7億3270万ドルに達しました。数量(ct)ベースでは82万2300cts。ベルギーの研磨済みダイヤモンドは、アメリカ合衆国向け、香港向け、そしてイスラエル向けで輸出総量の63%にもなります。その内訳は、金額ベースでアメリカ合衆国向け3億5700万ドルで21%増加、香港向けは13%増加の1億2260万ドル、イスラエル向けは4%増加の8950万ドルになりました。特にドイツへ研磨済みダイヤモンドの輸出量が飛躍的伸びており960万ドルに達しております。2006年1月からの5カ月間をみるとアメリカ向けが昨年の同期と比べて11%増し13億ドルを超え、香港向け5億1620万ドル、イスラエル向け5億1620万ドル。ベルギーのカラットあたりの平均価格は16%増の967ドルです。

M-レポート

-2,wh SI+、selling well, -6.5 to +6.5, across the board、 strong demand, 1/10-1/6, D-K/VS+、 high demand, 1/4-1/3, wh/PQ、 somewhat selling, 1/4-1/3,D-J/SI2+、 good demand, 3/8-1/2,D-K/SI+、 selling well, 3/8-1/2, wh/PQ、 demand was on the rise, 3/4, across the board、 high demand, 1ct-5ct,wh/PQ、including goods for treatment、 picking up, 1/10cts(mainly 2cts+),D-M/SI2+, good makes、 heavy demand

インドNews

4月のインドの研磨済みダイヤモンドの輸出量は前年同月期より7%ダウン
4月の研磨済みダイヤモンドの輸出量は、金額ベースで昨年の同月期と比べ7%ダウンの7億1270万ドルに達しました。数量(ct)ベースでも21%減の230万ctsに達しました。
1月から4月まで(第一四半期)の研磨済みダイヤモンドの輸出は38億ドルに達し、前年同期比で29%の増加です。数量(ct)ベースでも同期29%アップの1250万ctsに達しました。4月のダイヤモンド原石の輸入も、18%減少し、金額ベースで4億8460万ドルでした。数量(ct)ベースでも35%減の1030万ctsに達しました。ダイヤモンドの原石輸出は、50%急落の2730万ドルでした。
インドの研磨済みダイヤモンドの輸入は、金額ベースで1億2600万ドルと61%に急増しました。
1月から4月まで(第一四半期)のダイヤモンド原石の輸入は24億ドルで、前年同期比で18%の減少です。数量(ct)ベースでも5070万ctsと26%の減少です。

M-レポート

-2,wh/SI+、was selling well, -6.5,wh、 strong demand, +6.5,wh、 moving well, 1/10-1/6,wh/PQ、 slightly slowing, 1/10-1/6, D-I/SI+, good demand, 1/5, across the board、 slow, 1/4-1/3,wh/PQ、 soft demand, 3/8-1/2,D-K/SI+、 good demand, 4/4,D-K/SI+、slow, 2ct-10ct,D to cape/SI2+、 strong demand


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平成18年宝石学会(日本)のご報告

平成18年度の宝石学会(日本)総会が7月22日(土)、23日(日)に神戸芸術工科大学にて行われました。7月22日(土)に開催された一般公演および特別講演の内容について、講演要旨プログラムより誌面の関係から抜粋して以下に紹介致します。(○:発表者)

座 長:高橋 泰【9:00~10:00】

一般講演 1
ディギング・アウトとペインティングについての考察(9:00~9:20)

全国宝石学協会 ○矢野 晴也

一般講演 2
気相合成ダイヤモンドの特徴(9:20~9:40)

物質・材料研究機構
産総研 関西

 ○
 

神田  久生
杢野  由明/茶谷原 昭義

一般講演 3
合成サファイア及び天然サファイア処理石における発光センターの挙動の相違(9:40~10:00)

大阪大学大学院工学研究科 ○李  宝炫/伊藤 利道

休 憩(10:00~10:10)

座 長:北脇 裕士【10:10~11:10、12:00~12:40】

一般講演 4
ルビーのカソードルミネッセンスについて(10:10~10:30)

聖徳大学川並記念図書館
早稲田大学理工学部

 ○
 

林   政彦
村杉 亜以子/山崎  淳司

一般講演 5
コランダムに添加したベリリウムの拡散挙動(10:30~10:50)

山梨県立宝石美術専門学校 ○奥山 宗之/川野  潤/宮田 雄史

一般講演 6
ミャンマー産非加熱ルビーの特徴(10:50~11:10)

JBS
(株)モリス

 ○
 

奥田  薫
森  孝仁

昼 食・評議員会(11:10~12:00)

特別講演 1( 英語での講演 )
Identifying natural, treated and synthetic gem diamonds(12:00~12:40)
(天然、処理および合成ダイヤモンドの鑑別)

米国宝石学会(GIA)  ○Dr.James E. Shigley

総 会(12:40~13:10)

座 長:林 政彦【13:10~14:30】

一般講演 7
Be拡散加熱処理を施されたブルー・サファイアの鑑別について(13:10~13:30)

中央宝石研究所 ○江森 健太郎/間中  裕二/横山  照之

一般講演 8
Be拡散処理ブルー・サファイアの現状について(13:30~13:50)

全国宝石学協会 ○北脇 裕士/阿依 アヒマディ/岡野  誠

一般講演 9
含銅“パライバ”・タイプトルマリンのLA‐ICP‐MSによるケミカル・フィンガープリント(13:50~14:10)

全国宝石学協会 ○阿依 アヒマディ/北脇 裕士

一般講演 10
オパールの色彩特性(14:10~14:30)

神戸芸術工科大学 ○前田  敬子/小倉 繁太郎

休 憩(14:30~14:40)

座 長:間中 裕二【14:40~16:00】

一般講演 11
最近のラボ・トピックス(14:40~15:00)

全国宝石学協会
物質・材料研究機構

 ○
 

岡野  誠/北脇 裕士/阿依 アヒマディ
神田 久生

一般講演 12
コパルの加熱実験による諸データの変化について(15:00~15:20)

中央宝石研究所 ○藤田 直也

一般講演 13
富山県富山市立山温泉新湯産オパール調査報告(15:20~15:40)

山梨県立宝石美術専門学校
富山市科学文化センター
立山カルデラ砂防博物館

 ○
 
 

高橋  泰/今井 裕之
赤羽 久忠
室井 克則/國香 正稔

一般講演 14
ブラジルの宝石鉱山視察-Batalha, Quintos, Mulungu, Hematita, Piteiras, Rocha, Santa Maria-
(15:40~16:00)

日独宝石研究所 ○古屋 正司

休 憩(16:00~16:10)

座 長:小松 博【16:10~18:00】

一般講演 15
ブルー系真珠の鑑別法の沿革(16:10~16:30)

オギノ時計店
真珠科学研究所

 ○
 

荻野  隆
矢崎 純子

一般講演 16
ゴールド系真珠の鑑別法の沿革(16:30~16:50)

(株)葵パール
真珠科学研究所

 ○
 

鈴木  英之
佐伯 美知子/田中  美帆

一般講演 17
加工による真珠の物性変化(16:50~17:10)

宝石のマツダ
真珠科学研究所
宝石科学アカデミー

 ○
 
 

松田 優子
高橋 由紀/荻村 亨
渥美 郁男

休 憩(17:10~17:20)

特別講演 2
構造色から見た透明体内部の分光測色(17:20~18:00)

神戸芸術工科大学 ○小倉 繁太郎

懇 親 会 (18:10~20:00)

ラボトピックス「水熱合成バイカラーベリル」

水熱合成バイカラーベリル

大阪支店 山根 千恵  

写真1

先日、レッドとグリーンの色相をもつバイカラーの石(写真1)を鑑別する機会がありました。鑑別及び分析の結果、水熱法による合成ベリルであることがわかりました。以下、当該石の鑑別特徴を報告します。

はじめに

1990年代以降、アクワマリン、レッドベリルなどの水熱合成ベリルや水熱合成エメラルドが大量に育成され、市場でも容易に入手できるようになりました。またそれらについての文献も多く発表され、詳細な情報を得ることができます。しかし、今回のような水熱合成バイカラーベリルは非常に珍しく、みることはありませんでした。ロシアでは、実験的に水熱合成エメラルドの種板に水熱合成レッドベリルを成長させ、水熱合成バイカラーベリルを育成させた例はあるものの、商業的には育成されていないようです。

当該石がロシア製かどうかは定かではありませんが、レッドの色相部分は水熱合成レッドベリルでグリーンの色相部分は水熱合成エメラルドです。そして両方の境界部分は明瞭に分かれ張り合わさっているようにもみえますが、実際はそうではなく成長過程で環境を変化させ異なった色相を得ている様子が観察出来ました。

図2

写真2

図2

写真3

図2

写真4

鑑別特徴

当該石は、重量1.713ct、サイズは9.06×6.92×4.15mm、エメラルドカットが施されたルースでした。色調は、合成レッドベリル部分はレッドからオレンジィレッド、合成エメラルド部分はブルーイッシュグリーンでどちらも透明度が高く鮮やかでした。屈折率は、合成レッドベリル部分は1.571-1.578、合成エメラルド部分は1.577-1.584でした。カルサイト二色鏡を用いて多色性を観察したところ、合成レッドベリル部分は中位から強いオレンジィレッド/パープリッシュレッドの二色性、合成エメラルド部分はグリーンブルー/イエローイッシュグリーンの二色性でした。カラーフィルターで検査すると、両方の色に差はなく鮮やかな赤色を示しました。紫外線蛍光反応では、長波短波ともに不活性でした。

顕微鏡による拡大検査では、全体的に山形やV字形の成長模様が顕著に観察されました(写真2)。また合成エメラルド部分には、フェナカイトと思われる結晶が確認されました(写真3)。そのほか全体的にグロースゾーニングや白色微小包有物(写真4)が観察できました。これらは水熱合成ベリルにみられる一般的な包有物でした。

次に、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)で天然レッドベリルと合成レッドベリル部分とを分析し比較した結果、天然と合成とでは全く異なる吸収特徴を示しました。天然レッドベリルには特徴的な吸収がほとんどなく、それに対し合成レッドベリル部分は多くの吸収が出現しました。特に5500cm-1~5050cm-1、4200cm-1~3200cm-1の範囲に見られる吸収はH2O(水)で、天然レッドベリルにはみられません(表1)。水をほとんど含まない理由として、通常天然ベリルはペグマタイト中で発見されることが多いですが、天然レッドベリルの産状は特殊で、流紋岩中から発見されるためです。
合成レッドベリルは、水熱法による育成のため水の吸収が多くみられます。一方、合成エメラルド部分は、天然エメラルドのチャートに全体的に近似していますが、詳細にみると天然エメラルドを示唆する2292cm-1は観察されず、逆に、ロシア製水熱合成エメラルドにみられることが多い4375cm-1、4052cm-1吸収が観察されました。またベリルは製造下におけるアルカリイオンの有無が関係し、水分子の方向を変えタイプ I、タイプ II に分けられます。この水熱合成バイカラーベリルは両方ともタイプ I を示唆する5460 cm-1 、5097cm-1とともに、タイプⅡを示唆する5271cm-1の吸収が上記2つの吸収より強く検出されました。従ってこの水熱合成バイカラーベリルはタイプ II と考えられます。

表1

表1

紫外可視分光光度計では(表2)、合成レッドベリル部分のチャートが特徴的でした。
コバルト(450nm付近、525,545,560,570,585nm)、ニッケル(410nm)、鉄(370nm)の吸収が出現しました。合成エメラルド部分ではクロム(680nm)、 鉄(370nm)の吸収がありました。

表2

表2

蛍光X線による元素分析の結果、合成レッドベリル部分には色因となるマンガンの含有が認められ、分光光度計の結果を裏付けるようにコバルト、ニッケルが検出されました。これらコバルトとニッケルの吸収は天然レッドベリルには観察されません。一方、合成エメラルド部分にはクロム、鉄、ニッケルが認められ、天然エメラルドに必ずあるナトリウム、マグネシウムは認められませんでした。

今後、新しいタイプの水熱合成バイカラーベリルとして市場で販売されるようになるかもしれません。

小売店様向け宝石の知識「カメオ」

カメオ・Cameo

宝石に彫刻したり(Carved)、彫り込みをしたり(Engraved)して楽しむことは古くから行われている。その代表的なタイプは、カメオ、インタリオで、その他にシェベイ、クベット、スカラベなどがある。
カメオはガードルから上の表面をカットしてデザイン全体がガードルエッジの上に出るように彫刻した宝石。通常、濃い色の地に像が白く浮き上がっている。本物の宝石材料(縞めのうが主体・トルマリン・トルコ石も使われる)から作ったものをストーン・カメオという。貝殻から作ったものをシェル・カメオ、さんごから作ったものをコーラル・カメオという。ほかにピンクと白のコントラストをもつコンクシェルカメオも珍重されている。
カメオの語源はラテン語の「浮き彫り」からきていて、カメオの歴史は、6,000年前のメソポタミア文明から始まり、最初は王様の玉印(シグネットリング)や封印(シールリング)にインタリオ(沈み彫り)が使われ、カメオは紀元前400~500年ごろ、ほぼ今のかたちになったと云われる。カメオは古代ローマ時代に大流行し、次いでルネッサンスにブームがあり、今日も伝統ある人気の宝石彫刻。写真が無かった時代、恋人や妻や子供のプロフィールを宝石に彫刻してお守りとしブローチやペンダントとして携行することで大流行した。ナポレオンも愛好者だった。一時は女性よりも男性がお守りとして身につけたといわれる。ドイツのイーダーオーバーシュタインは1450年頃からめのう彫刻の中心地となり、ヨーロッパ全土への供給加工地となった。現在では世界のストーン・カメオの90%近くを生産している。
さて昔カメオはどのようにして作られたのか。カメオの宝石材料はめのうが使われるので、硬度7と硬く金属工具では彫るのは困難である。電気のない時代にはライン川の水車の回転力でサファイア(硬度9)の細粒を埋めた砥石を使って細かく彫刻していた。長い時間と労力のいる仕事でした。したがってストーン・カメオの宝石材料であるめのうを浮き彫りするのは大変な作業で、細密で精巧なデザイン仕上げは至難の業でした。表面がなめらかで、精緻なデザイン仕上げ、作家の感性が輝き、より美しい芸術作品に仕上がったストーン・カメオは、まことに貴重な装身具でした。その一部は現在もアンティ―クとして残っていて珍重されている。一方シェル・カメオはイタリアでルネッサンスの時期に流行し、貝殻は内側が赤やオレンジで、表層が白のヘルメット・シェルを用い、大量に作られるようになった。イタリアのナポリが生産加工地として有名。日本でもシェル・カメオがひところ大流行し、カメオと云えば貝殻の装身具と思っている人も多いようだ。
カメオの価値を決める要素は、[1]彫刻家[2]彫刻技術[3]コントラスト[4]大きさ[5]厚さ[6]色合いなどにあり、このうち最も重要視されるのは彫刻家名である。価値あるカメオには必ず作者名が署名されている。絵画と同じである。
宝石や貝殻の表面に浮き彫りした芸術性溢れる「カメオ」は、さまざまなシーンで貴女を美しく演出する。身に付ける通常の宝石装身具とは一味ちがう深い味わいがあります。
愛する人の思い出に、記念に、おしゃれに、芸術作品「カメオ」を身に付けましょう!

「楽しいジュエリーセールス」
著者 早川 武俊

ワールドニュース

イスラエルNews

3月のイスラエルの研磨済みダイヤモンドの輸出量は前年同月期より6.4%増加
3月の研磨済みダイヤモンドの輸出量は、金額ベースで2005年の同月期6億5700万ドルと比べ6.4%増加の6億7200万ドルに達しました。数量(ct)ベースでは38万854ctsと10.0%減少しました。
3月のダイヤモンド原石の輸入も、金額ベースで2005年同月期と比べ31.0%減少し3億3150万ドルでした。数量(ベース)でも120万ctsと33.7%減少しました。しかし逆に研磨済みダイヤモンドの輸入は、金額ベースで3億4980万ドルと3.3%増加しました。数量(ct)ベースでは32万6568ctsと10.5%の減少です。イスラエルのダイヤモンドの原石の輸出は、金額ベースで2億6200万ドルまで3.8%減少し、数量(ct)ベースで220万ctsに8.1%増加しました。2006年第一四半期のイスラエルの研磨済みダイヤモンドの輸出総計は19億ドルで昨年の同期より2.6%のダウンです。逆に輸入は金額ベース9億2100万ドルで2.8%増加しましたが、数量ベースで12.5%ダウンして82万9494cts。アメリカ合衆国、ベルギー、香港およびスイスが主な仕向地で82%に達します。第一四半期のアメリカ合衆国向けは昨年より1.4%減少して10億ドル、同じくベルギー向けも20%ダウンの1億3160万ドル、香港向けも1.4%ダウンの2億6470万ドル、しかしスイス向けは25%アップの2億90万ドルになりました。イスラエルのダイヤモンド原石輸入の1ctあたりの価格は1ctあたり271ドルで4%上昇し、イスラエルの研磨済みダイヤモンドの輸出の1ctあたりの価格は、1765ドル/ctで18%に高騰しました。

M-レポート

-6.5, wh/SI+、demand was on the rise, 1/10-1/6, wh/PQ、demand was on the rise, 1/10-1/6,D-J/VS+,good make、continued selling well, 1/4-1/3, wh/PQ、 were in demand, 3/8-1/2 wh/PQ, including goods for treatment, were in demand, 3/4, D-K/VS+、continued to enjoy strong sales, 1ct-10ct, D-M /SI2+ good makes remained in very heavy demand with noted pressure on prices

アメリカNews

2006年春、クリスティーズのニューヨークオークションは予想をはるかに上回る3900万ドル
春のオークションの季節が到来いたしましたが、4月11日のクリスティーズニューヨーク(Magnificent Jewels Sales)のオークションでは、内覧会の見積り2500万ドルに対し、予想をはるかに上回る3907万1320ドルのセールスを記録しました。336ロットの中でトップ10のロットのうち半分はダイヤモンドで100万ドル以上の金額で販売されました。中でもナンバーワンは、ロットナンバー299番、50.53ctのDカラー、IFのペアーシェイプのダイヤモンドリングが、アジアの個人の方が入札しあまり競争者もなく、およそ5億円(421万6000ドル)で落札されました。1キャラット当たりの価格は約985万円(8万3450ドル)。 ナンバー2は、ロットナンバー336番、50.67ctのDカラー、VVS2のこれもまたペアーシェイプのダイヤモンドが、中東からのディーラーが入札し、およそ3億円(259万2000ドル)で落札されました。1キャラット当たりの価格は約610万円(5万1150ドル)。

M-レポート

-2, across the board、$50-450 was selling strongly, -6.5,WH to TTLB/VVS to PQ was in strong demand,
+6.5, across the board、 continued showing soft demand, 4/4, G-I,$2000-$2500pc non certified stones were selling well, 1.25-1.75cts, D-I/VS1-SI2、were moving well, 2-4cts, across the board、certified
and non-certified stones、was storong demand against short supply

香港News

2006年4月9日、サザビーズホンコン(Magnificent Jewels)のオークションは2802万ドルを達成
春のサザビーズ香港のオークションでは、すべてのロットの68%を販売いたしました。販売のナンバー1ロットは、ロットNO.1363で豪華でめったにない10.04カラットのFancy Vivid Pink Diamond Ringで、オークションではピンクダイヤモンドの世界新記録を打ち立てました。匿名希望者が、およそ7億4000万円、4828万香港ドル(US$6,222,809)で落札しました。1キャラット当たりの価格は約7300万円(5万1150ドル)です。10.15カラットのFancy Pink、VVS1ダイヤモンドを用いたリングが、およそ1億9000万円(1244万香港ドル)で落札されました。22.68カラットのFancy Vivid Yellow Diamond とDiamond Ringがおよそ1億円(US$881,608ドル)、13.86カラットのDカラー、フローレスダイヤモンドペンダントは、およそ1億800万円(US$910,479)

M-レポート

-2, wh SI+、was only slightly shifting, -6.5, wh/SI+ was picking up, +6.5, across the board、was
showing mediocre trading levels, 1/10-1/6, wh/PQ、were staring to sell, 1/4-1/3, wh/PQ、were selling
mainly to Japanese buyers, 1/4-1/3, D-J/VS+,good makes、 demand was on the rise, 3/8-1/2,
D-K/SI1+、
a considerable rise in demand was noted, 1ct-5ct, wh/PQ、were some selling

インドNews

2月のインドの研磨済みダイヤモンドの輸出量は前年同月期より8%ダウン
2月の研磨済みダイヤモンドの輸出量は、金額ベースで昨年の同月期10億4130万ドルと比べ、8%ダウンの9億5800万ドルに達しました。数量(ct)ベースでは300万cts。2月のダイヤモンド原石の輸入は、金額ベースで21%減少して6億5300万ドルでした。同じく研磨済みダイヤモンドの輸入も1億4000万ドルで、前年同期比57%の減少です。数量(ct)ベースでも原石の輸入は26.5%減少し1280万ctsに達しました。逆にダイヤモンドの原石輸出は、4470万ドルで17%増加しました。インドの研磨済みダイヤモンドの輸入は、2005年4月から2006年2月までで金額ベースで81億ドルと17%に増加しました。4月から2月までのダイヤモンド原石の輸入は1億5980ctsに達しました。同期のダイヤモンド原石の輸出は、金額ベースで5億1700万ドルの72%の増加でした。数量(ct)ベースでも2930万ctsと21%の増加です。

M-レポート

-2, wh SI+、was selling though a slight downturn in demand was noted, -6.5, wh、was seeing a slight
drop in sales, +6.5, wh was in continuing good demand, 1/10-1/6, wh/PQ、were in healthy motion,
1/10-1/6, D-J/SI+, good makes、continued selling, 3/8-1/2, D-K/SI1+, good makes、 were selling both
to local and overseas buyers, 1ct-5ct, wh/PQ including goods for treatment、were in strong demand
mainly by overseas buyers


アイスブルーダイヤモンド企画・開発プロデューサーが本当にお客様にあった商品企画をご提案するために設立したダイヤモンド専門会社
株式会社IBCTOKYO 担当:木村 e-mail: sales@ibctokyo.com
東京都千代田区麹町 TEL : 03-3556-1481 FAX : 03-3556-1482 
www.ibctokyo.com

USA会議レポート

本年も1月末から例年通り米国のアリゾナ州ツーソン市でGem Trade Association(AGTA)、Gem&Jewelry Exchange(GJX)、Worldwide Gem&Jewelry、およびGem Lapidary Dealers Association(GLDA)などのジュエリーショーが開催されました。

各ショーをまわって感じたことは、例年と比べてバイヤーも出展者の数も少ないこと。例年なら特にGJXショーでは通路が行き交う人で一杯の筈が今年は人もまばらでゆっくりと石を見て回ることができ、出展者も暇そうにしていました。案の定、ある出展者はビジネスが昨年より良くなかったとある業界誌のインタビューで嘆いていました。

原因の一部には、増加する国際展示会、米ドルの衰退、原油価格の上昇などがあるかも知れません。最近は全米を含めて、海外でのジュエリーショーがやたら多く、このようにあちこちで開催しているとかえってインパクトがなくなり、また各ジュエリーショー開催地に飛ぶ旅費も原油の値上がりで影響を受け、ツーソンではこの時期ホテルの室料も毎年上昇し続けており、出展者にもバイヤーにも良い材料は見受けられません。

モザンビーク産トルマリン紫青、ピンク、黄緑石は未加熱、青は加熱石。

モザンビーク産トルマリン紫青、ピンク、黄緑石は未加熱、青は加熱石。イーダーオーベルシュタインパビリオンにて。

今回のショーでの最大の話題は、最近までブラジルのパライバ州およびリオグランデ・ド・ノルテ州でしか発見されなかった銅、マンガンを含むブルーからグリーンのトルマリン、所謂パライバ・トルマリンと非常に良く似たトルマリンがモザンビークやナイジェリアからも新たに発見されたことでした。GLDAやGJXショーの双方では、ブラジル人のディーラーと同様にドイツ人の多くのディーラーが、これらのトルマリンに様々な価格をつけ展示していました。

その殆どのディーラーは、これらの石の原産地を把握しており、ブラジル産か、モザンビーク産か、ナイジェリア産かを開示しております。しかし、一部のディーラーがこれらを「パライバ」、「パライバタイプ」と呼んだことで、ショーの期間中、名称についての議論がいたる所で激しく行われました。それらをパライバ・トルマリンと呼ぶことに反対した何人かのブラジル人は、パライバと呼べるのは実際にブラジルのその地域から来たものだけに限定されるべきだと言います。しかしながら、その他の殆んど業者は、その名称で呼ばれるブラジル産トルマリンの多くが実際にパライバ州の外で採掘されていると指摘していました。

GILC会議でパライバ・トルマリンの地質学的背景を説明するミリセンダ博士

GILC会議でパライバ・トルマリンの地質学的背景を説明するミリセンダ博士(左から2人目)

これらのショーの直前に開催されたGEMSTONE INDUSTRY AND LABORATORY CONFERENCE (GILC)会議でも、これらトルマリンについて討議が行われました。そこでは、ドイツ宝石学会のミリセンダ博士よりブラジル(パライバ州、リオグランデ・ド・ノルテ州)、ナイジェリア、モザンビークの産地特性、化学成分分析等の発表があり、産地特定の困難な事や銅とマンガンを含むトルマリンを産地に関係なく“市場ではパライバ・トルマリンと呼んでいる”と鑑別書にコメントを入れているとの発表がありました。

また、日本ジュエリー協会(JJA)の代表として水村氏から、現状の日本のパライバ・トルマリンの鑑別分類上での状況説明が行われ、同様にスイスのSSEFからも彼らが銅を含むエルバイトは“パライバ・トルマリン”と呼んでいること、AGTAからは彼らが“パライバ・トルマリン”を変種名として扱っており、コメントにはこれが産地を表わすものでないことも記載していると云った発言がありました。そして、ブラジルの代表からは、『ブラジルには多くの石がアフリカより輸入され、販売されている。ブラジルで購入することは産地を保障するものではない。オリジナルのバタリャでも質の良いものも悪いものも有る』との説明も有りました。

CIBJO Coloured stone Steering Meeting の風景

CIBJO Coloured stone Steering Meeting の風景

この会議における議論で殆どの国がパライバ・トルマリンと呼ぶ条件にブラジルと限定するという考えはなく、銅着色のトルマリンであればパライバ・トルマリンであるべきという方向性が示されました。しかし、名称に関して商業名とするか変種名とするかの結論(すなわち、“別名パライバ・トルマリンと呼ばれています”とコメントとして記すか、鑑別結果 鉱物名:トルマリン 変種名:パライバ・トルマリンと記すか)は次回会議に先送りされました。

また、今回の期間中にCIBJOの各種ワーキンググループの会議が開かれております。筆者もColoured Stone Steering Committeeのメンバーで、今回はもう一人の日本側のメンバーであるN.アラウディーンJJA国際部委員長が欠席のため、藤田貞治氏に代理としてこの会議に出席していただきました。今回の最大の議題は、ブルーブックの第8条(一般開示)と第9条(特別開示)を統合し、完全開示にするという提案についてで、藤田氏には大いに意見を述べていただきました。この提案は、米国代表から提出されたもので米国の連邦規定(FTC)の概念は完全開示であるため、現在のCIBJOルールに従う国から輸入されたものは米国の消費者に混乱を与えています。日本も2年前に開始した新ルールで完全開示が基本とされているため、日本にとってもこの改定案は受け入れられるものです。本年7月のCIBJOバンクーバー総会に向けて、今後この改定作業に入ることが決定されました。