Gemmy 133 号 「ワールドニュース」
このワールドニュースを担当して、はや1年が経ちました。いつもご愛読ありがとうございます。
原油を発端とする資源の乱高下で地金にも影響が出ていましたが、原油の急落に伴い地金相場も安定してきたようです。とはいっても数年前と比較すれば、いまだに高止まり状態ではあります。ダイヤの原石も高くなっている昨今、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
今回は、イスラエルの新年とヨムキプールのため各トレーディング市場が動いていないため9月に開催された香港ジュエリーフェアのレポートです。
香港ジュエリーフェア
今年は空港近くの「Asia World-Expo」と、いつもの「コンベンションセンター」の2会場での開催となりました。来場者数も昨年比で約3%増の41,000人を超え、ますますの盛況ぶりです。
このフェアのすばらしさが世界的に認知されてきた結果なのでしょう。
出展社は昨年9月の1,852社から2,519社と激増し、国別来場者のトップ5は、1・中国・香港、2・アメリカ、3・台湾、4・日本、5・インドということでした(CMPジャパン調べ)。
来場者のトップが中国・香港というのはわかりますが、会場を見渡す限りではアメリカの方々が多数来場されているとは感じはなかったので2位がアメリカというのは意外な結果ではありました。しかしアメリカマーケットの需要は旺盛ということなのでしょう。
また日本からの来場者の様子は、購入目的というよりも世界が注目する香港の度量の大きさやトレンドを見に来たという感じでした。
個人的に感じたのは、業界の方々が中国・香港を工賃の安さだけという今までの捉え方ではなく、新しい加工技術への対応能力や生産力が向上した世界の工場としての役割を期待しているのではないかということです。実際、香港メーカーのブースで、イタリアのバイヤーが交渉していたり、アメリカのバイヤーが買い付けをしていたりと、デザイン、技術ともに認められてきているのを実感しました。事実、上記の数字が示すようにこのフェアの出展者、来場者ともに年々増加しています。この好循環が日本にも波及することを期待します。
[Asia World-Expo]
まずは今年から会場となった「AsiaWorld-Expo」へ。空港のそばの会場は、本会場より1日早いスタートです。
本会場に比べれば小さい会場ではありますが、それでもかなりの広さがありました。しかし、来場者は決して多いとはいえない状況でした。コンベンションセンターから送迎バスが出ているとはいえ、時間の無い中、往復に1時間というのは難しいのかもしれません。
最終日に近くなると、こちらの会場の出展者の中にはコンベンションセンターの方に来て商売している方々もいらっしゃいました。
来年に期待したいと思います。
[コンベンションセンター]
本会場となるコンベンションセンターは、ジュエリーショウだけではなく、さまざまな見本市が毎月行われています。一見帽子のひさしのような外観に見えますが、実は風水により金運が上がりますようにとの願いを込めて、「亀」の形を表しているのだそうです。一階から最上階まで世界最大のガラスが張られており、そのガラス越しの景色は素晴らしく、ぜひ夜景も見てみたいと思いました。
そして、ジュエリーショウ初日の受付はどこもかしこも人だらけで大変な混雑です。中国や台湾、韓国、日本などアジアはもちろん、アメリカ、インド、それに欧州など、世界中からの沢山のバイヤー達で会場は埋め尽くされていました。同僚が一度会場外に出た時など、戻ってくるまでに30分以上もかかってしまうほどでした。
会場の中はとにかく広くホール数だけで7つもあります。その全フロアが使用されていましたので、1日ではとても回りきれるものではありません。全部見るには、早足で3日かけてギリギリ見て回れるかどうかという感じで、本当に見応えがありました。その中でも一番賑わっていたのはホール1で、地元の香港のメーカーが多数出展しており、今やジュエリー業界の発展はこのホールからといってもいいくらいの混雑ぶりでした。ブース出展の順番待ちが多すぎるために今年から空港の方にも会場を設けたのでしょう。
余談ですが、あるブースに立ち寄りダイヤを検品している時、まるで大女優のような風格をもつインドネシア人の親娘が隣にやってきて、こちらに話かけてきました。その奥様いわく「50万ドル持ってきたのに、買いたい商品がぜんぜん無いわ!」とおもむろにバックの中のドルの札束(3束も)を見せられてしまいました。お金はあるところにはあるものですね。
また他のブースで、ある会社との商売上のやり取りが行き詰っていた時、偶然インド人の知人と再会しました。彼はその会社の社員で現在ドバイ駐在なのですが、香港支社が参加している関係でこちらに来ているとのこと。彼は、香港スタッフとの間に入り「問題は何なんだ?ヘルプできるなら俺がするぞ」と助け舟を出してくれたのはよかったのですが、あまりにも厳しい日本のマーケット用のオーダーを聞いた瞬間、彼は顔を曇らせ「スマン、それは難しい…」と。日本のマーケットは世界一厳しいのかもしれません。
まとめ
日本で感じる業界の雰囲気とは違い、まさにワールドワイドな仕事の一端を担っているのだなと感じるとともに、香港経済の力強さも感じました。香港島の中環を見回せば海沿いから山側まで続く細長い高層ビルが立ち並ぶ金融を始めとする香港経済の中心、またヴィクトリア湾を隔てた九龍の尖沙咀は喧騒に包まれた商業の街。あらゆる種類の企業や店が、新旧、高低と一緒くたに立ち並び、独特の雰囲気を作り上げているのです。この喧騒に包まれた街中で日々たくましく生活している人達に負けないよう頑張らなくてはと思いました。今後ともよろしく御願いいたします。
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