これ、本当の話かどうかは知りませんが「クレオパトラは美人じゃなかった」説があります。少なくとも絶世の美女ではなかった、と。多くの男性を虜にした秘密は、実は、エメラルド・グリーンの美しい瞳にあったというのです。完璧な美女ではないけれど一点秀でたところがある、いわゆる強烈な魅力をもった個性派だったのかもしれませんね。また彼女は実際にエメラルド好きで、自分のエメラルド鉱山を持っていたといわれています。
ところでこの宝石は「傷つきやすい」ことでも有名です。ことわざにも「エメラルドと人間に傷のないものはない」とあるほどです。何物にも傷つかないダイヤモンドとは正反対ですね。この傷はエメラルドが形成されるときに必然的に出来てしまうもので、この傷こそ天然石であることの証明でもあります。
「もしクレオパトラの鼻がもう少し低かったら、歴史は変わっていたかもしれない」という『パンセ』の有名な言葉がありますね。しかし、傷つきやすく、色もやわらかな緑色を愛したクレオパトラだったのですから「もしクレオパトラがエメラルド好きでなければ、歴史は変わっていたかもしれない」とも言えますね。冷たい美女でなく、傷つきやすい心をもった魅力的な女性=クレオパトラを想像してみるのも楽しいではありませんか?