メーテルリンクの童話『青い鳥』は、子どもの頃きっとお読みになったことがあると思いますが。ちょっとあらすじをご紹介します。こんなお話でしたね。
『クリスマスの前夜、貧しいきこりの兄妹チルチル・ミチルの前に、魔法使が現れ、どんな希望も叶えることのできる『青い鳥』を捕まえろと命じます。眠い目をこすって二人は摩訶不思議な旅にでます。思い出の国・幸福の花園・未来の王国など、さまざまな世界を大冒険。でも結局『青い鳥』を捕まえることはできず、がっかりして家に帰ったところで、二人が同時に夢から覚めます。そして、自分達が飼っていたキジバトが『青い鳥』に変身していくさまに驚きの声をあげる』
このお話は、物語としては「『青い鳥』は、自分達の日常生活の中にいる。だから日常生活を見つめ直して、幸福な毎日を過ごしていきましょう」という教訓を含んでいるようですが、ところで、二人がかぶっていた帽子にダイヤモンドがついていましたね。これをダイヤルのように回すと次の国へ入っていける。ダイヤモンドにはそんなチカラがある小道具として使われていました。でも、なぜダイヤモンドだったのでしょうか?
ダイヤモンドをじっと見つめてください。透明で神秘的な輝きをもつダイヤは、じっと見つめていると新しいイメージ、新しい世界を想い描ける無垢のキャンバスのようではありませんか。メーテルリンクは、おそらくダイヤをじっと見つめ『青い鳥』のさまざまな国を想像したにちがいありません。さて、あなたは、一粒のダイヤモンドからどんな物語を紡ぐのでしょうか?いつか聞かせていただけますか。