CGL通信 vol43 「LPHT処理されたピンクCVD合成ダイヤモンド」
リサーチ室 北脇 裕士、久永 美生、山本 正博、江森 健太郎、岡野 誠
最近、中央宝石研究所(CGL)東京支店にグレーディング依頼で1個のピンク色の石が供された。この石は0.192ctのマーキーズ・ブリリアントカットが施されたルースで、検査の結果、LPHT処理が施されたCVD合成ダイヤモンドであることが判った。
このダイヤモンドは視覚的には同系色の天然ダイヤモンドと識別できないが、赤外領域の分光スペクトルにおいて3124、3030、2948、2937、2901、2870、2812、2726cm–1にCVD合成に特徴的なC–H伸縮振動吸収が見られた。また、近赤外領域にも8532、7917、7802、7534、7353cm–1などの水素に関連した複数のピークが検出された。これらとフォトルミネッセンス(PL)分析で検出されたH3、NVセンタなどの光学中心との組み合わせから、結晶成長後に1500–1700℃程度のLPHT処理が施されたことが推定される。
近年、CVD合成ダイヤモンドは、結晶育成技術の向上と成長後の処理により、様々な色が作り出されている。これらは標準的な鑑別手法のみでは識別が困難であるが、ラボラトリーにおける赤外分光分析、低温下でのPL分光分析やDiamondView™による紫外線蛍光像の観察などの洗練された分析を行うことによって、確実に鑑別することが可能である。
背景
ピンク・ダイヤモンドは、ファンシー・カラー・ダイヤモンドの中でもとりわけ人気が高い。それ故に人工的にダイヤモンドをピンク色にする数々の手法が昔から試みられてきた。ピンク色のCVD合成ダイヤモンドも2010年頃から宝石市場で見られるようになり、その詳細な特徴が報告されている(文献1, 文献2)。これらのピンク色は、CVD合成後に褐色味を除去するためのHPHT処理が施され、その後に電子線照射と低温下のアニーリング(熱処理)が組み合わされた複合的な処理(マルチ・プロセス)により生み出されている。これとは別に結晶成長後に放射線照射を伴わないLPHTのみが施されたピンクCVD合成石の報告もあるが(文献3)、これまで市場で見かけることはほとんどなかった。
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LPHT処理
CVD合成ダイヤモンドの多くは高速度成長のために窒素を意図的に添加して育成される(文献4)。
結晶中に取り込まれた窒素は他の欠陥と結びついて宝石として魅力的でない褐色の原因となる。これらの褐色味は1600℃以上の高温で熱処理すると除去できることがわかっている(文献5)。商業的には熱処理の効果を最大限に引き上げ、さらに加熱時間を短縮するために1900-2200℃の高温が利用されている(文献5, 文献6)。しかしながら、このような高温に晒されると、ダイヤモンドはグラファイト化したり、破損したりするため、通常は熱力学的に安定な圧力が加えられる。これがいわゆるHPHT処理である。一方、圧力は300torr(<3.99×10–5GPa、大気圧以下)程度で、水素プラズマ中(CVD合成装置内)において1400-2200℃の加熱を行うことでグラファイト化を防ぐ技術が開発されている(文献6, 文献7)。これがLPHT(Low Pressure High Temperature)処理で、結晶育成に用いたチャンバー内で処理することができる。したがって、HPHT処理に不可欠な高圧発生装置を用いないため、CVD合成ダイヤモンドの製造者にはコスト面のメリットがある。これまで宝飾用のCVD合成ダイヤモンドには主にHPHT処理が利用されていたが、今後、技術開発とともにLPHT処理が普及する可能性がある。その際、LPHT処理されたダイヤモンドの光学欠陥は、HPHT処理のものと異なる場合があることに注意が必要である。
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試料と分析方法
色の起源とグレーディングのために供されたピンク色のダイヤモンドの検査を行った(図1)。重量は0.192ctでマーキーズ・ブリリアントカットが施されていた。カラーグレードおよびクラリティグレードは経験をつんだCGLのダイヤモンドグレーディングスタッフによりGIAのグレーディングシステムを用いて行われた。外部特徴および包有物の観察にはMotic製の双眼実体顕微鏡GM168を用いた。紫外線蛍光の観察にはマナスル化学工業製の標準的な4ワットの長波紫外線ライト(365nm)と短波紫外線ライト(253.6nm)を用いて完全な暗室にて行った。紫外-可視-近赤外分光分析には日本分光製V570を用いて分析範囲は220nm–1100nm、バンド幅2.0nm、分解能0.5nm、スキャンスピード400nm/minで室温にて測定を行った。同様に340nm–800nmの分析範囲は、日本分光製V670を用いて液体窒素を用いて低温下での測定も行った。赤外分光分析には日本分光製FT/IR4100を用いて分析範囲は7500–400㎝–1、分解能は4.0cm–1および1.0cm–1で、それぞれ512回の積算回数で測定を行った。フォトルミネッセンス(PL)分析にはRenishaw社製 inVia Raman Microscopeを用いて457nm 、488nm 、514nm、633nmおよび830nmの各波長のレーザーを励起源に液体窒素に浸漬した状態で分析を行った。さらに、Diamond Trading Company (DTC)製のDiamondPlus™による検査とDiamondView™による紫外線ルミネッセンス像の観察を行った。
結 果
◆カラーおよびクラリティ
カラーはFancy Brown Pink※相当とグレードされた。クラリティはVS1※相当であった。(※日本国内においては、宝石鑑別団体協議会(AGL)の規約により、合成ダイヤモンドのグレーディングは行っていない)
◆拡大検査
肉眼ではクリーンであったが、顕微鏡下においてパビリオンファセットに黒色化した小さなフェザーが見られた(図2)。このフェザーがテーブル側から観察した際にスターファセットに映りとして見られ、これがクラリティの要因となっていた。フェザーの黒色化が成長時によるものかLPHT処理に関連したものかは不明である。また、テーブル面にはスクラッチや酸化膜(burn mark)のような荒い研磨の状態が見られた(図3)。
◆歪複屈折
交差偏光板を用いた顕微鏡観察において、CVD合成に特徴的な筋模様の歪複屈折(低次の白黒の干渉色)が認められた。これらは結晶の成長方向に平行に伸長したもので(図4a)、主に種結晶と成長結晶の界面から引き継がれた線状欠陥(ディスロケーション)によるものと思われる。しかし、成長面に対して垂直方向に観察した場合は細かく交差する網目模様が観察され(図4b)、天然Ⅱ型ダイヤモンドの“タタミ構造”に酷似するため解釈には注意を要する。
◆紫外線蛍光
長波・短波ともにオレンジ濁蛍光が観察された。蛍光強度は弱~中程度であったが、概して長波よりも短波の方が強かった。燐光は観察されなかった。
◆紫外-可視-近赤外分光分析
室温での測定において、270nm付近と520nm付近に幅広い吸収が認められた(図5)。270nmの吸収は置換型単原子窒素(Cセンタ)によるものと思われるが(文献8)、520nmの吸収については定かではない。文献9はAs grownの褐色CVD合成ダイヤモンドに270nm、360nmおよび515nmの吸収が見られ、515nmバンドはNVH0に起因するのではないかとしている。
液体窒素を用いて低温下で測定すると、637nm (NV–) に明瞭な吸収が認められた。この他に419nm、667nmおよび684nmにきわめて弱いピークが検出された(図5)。
◆赤外分光分析
1130cm–1、1344cm–1および1332cm–1に置換型単原子窒素に起因するピークが検出された(図6)。1130cm–1と1344cm–1は中性の電荷状態NS0によるものであり(文献10)、1332cm–1は正の電荷状態NS+に関連するものである(文献11)。この他に1374、1362、1353、1296cm–1のピークが検出された。同様のピークは文献8, 文献11にも報告されている。
また、3200cm–1~2800 cm–1にC–H由来の吸収と考えられる複数のピークが検出された(図6)。これらのピーク波数は3123、3030、2948、2937、2901、2870、2812、2726 cm–1であった。このようなC–H伸縮振動吸収は、天然ダイヤモンドには見られず、CVD合成に特有のものである(文献6, 文献13)。このうち3123 cm–1ピークはNVH0に起因すると考えられており(文献6)、通常のHPHT処理後に消失する(文献5)。また、CVD合成ダイヤモンドのHPHT処理後に出現するとされる3107 cm–1(N3VH)(文献13, 文献14) は検出されなかった。
さらに近赤外領域に8532、7917、7802、7534、7353、6963、6828、6425、5225、4886、4672、4336 cm–1の水素に関連したピークが複数検出された(図7)。これらと同様のピークは文献12のオレンジ~ピンクのCVD合成ダイヤモンドに報告されている。
◆フォトルミネッセンス分析
514nmレーザーと633nmレーザー励起によるPLスペクトルを図8に示す。非常に強い575nm (NV0) および637nm (NV–)が検出された。514nmレーザー励起による両者のピーク強度は同程度で、ラマン線強度に対してそれぞれ45倍以上あった。未処理のCVD合成の特徴とされる596.4nmと597.0nmのダブレットのピーク(文献12, 文献14)は検出されなかった。521.4、528.0、529.1、532.0、533.0、534.9、536.5、539.6、540.3、544.4、552.8、553.5、563.8および555.7nmに帰属不明の小さなピークが検出された(一部は図示していない)。736.4/736.8nm (SiV–)が633nmレーザー励起においてのみ検出された。737nmピークは合成装置由来のSi起源であり、CVD合成ダイヤモンドの特徴として理解されている(文献5, 文献14)。633nmレーザー励起では769.7、796.8、816.9、822.4、833.5、848.2、881.2および902.7nmの小さなピークが検出された。
図9に637nm (NV–)および 575nm (NV0) の半値全幅(FWHM)の関係を示す。空孔を伴う欠陥のゼロフォノン線 (ZPL) のFWHMは局地的な歪が増すと幅が広くなることが知られており、しばしばダイヤモンド中の歪を調べるために利用されている(文献15)。過去にCGLで分析した天然Ⅱ型ダイヤモンドの褐色系133個、ピンク系70個とマルチプロセスによるピンクCVD合成ダイヤモンド5個を同時にプロットした。天然Ⅱ型ダイヤモンドの褐色系のNVセンタの半値全幅(FWHM)は0.2~0.7nm程度の狭い領域にプロットされているが、ピンク系のものは褐色系とかなりの部分が重複するものの、0.8nm以上の領域にプロットされる一群が見られる。マルチプロセスによるピンク色のCVD合成ダイヤモンドは、0.3~0.4nm程度の狭い領域にプロットされたが、本研究のLPHT処理ピンクCVD合成ダイヤモンドは637nm (NV–)が0.68nm、575nm (NV0)が0.64nmであった。したがって、検査数は少ないものの、マルチプロセスのピンクCVD合成ダイヤモンドよりも今回検査したLPHT処理のピンクCVD合成ダイヤモンドは内在する歪が大きく、成長プロセスに何らかの相違があることが明らかである。
830nmレーザー励起によるPLスペクトルを図10に示す。849.9nmの強いピークの他に853.2、864.6、869.2、875.5、908.7nmに鋭いピークが認められた。また、880、903、953nmにやや幅の広いピークが検出された。985.7nmにはH2と思われる弱いピークが検出された。
488nmレーザーと457nmレーザー励起によるPLスペクトルを図11に示す。503.2nm (H3)、575nm (NV0)および637nm (NV–)の強いピークが検出された。488nmレーザー励起によるNV0/H3の強度比は8.8であった。467.6、479.3、480.3、483.4、488.3、491.9、494.1、494.9、498.8nmおよび500.3nmに弱いピークが検出された(図に数値は記入していない)。
◆DiamondPlus™
DiamondPlus™はDTCにより開発され、2009年から市販されているⅡ型ダイヤモンドのHPHT処理を粗選別するためのコンパクトな装置である。この装置では15秒以内の測定時間で“PASS”あるいは“REFER”などと結果が表示される。“PASS”は天然で未処理のダイヤモンドであるが、“REFER”と表示されたものは更なるラボラトリーの検査が必要である。また、この装置はCVD合成ダイヤモンドの検出にも対応しており、737nmのピークを検出すると“REFER (CVD SYNTHETIC?)”と表示されるとともに正規化された強度が表示される。
今回の試料は繰り返し5回測定を行ったが、すべて“REFER (CVD SYNTHETIC?)”と表示され、一度も“PASS”とは表示されなかった。同時に表示される正規化された数値は0.283~0.937であり、平均値は0.491であった。
◆紫外線ルミネッセンス法
DiamondView™の波長の短い(<225nm)強力な紫外線を用いて検査を行なった。テーブル方向からの観察においては、NVセンタに因ると思われるほぼ均一なオレンジ色の発光が見られたが、成長構造を示す特徴は認められなかった(図12a)。0.01秒後の燐光にはH3に因ると思われる緑色が優勢の発光色が観察された(図12b)。パビリオン側の観察では、オレンジ色の発光とともにCVD合成に特有の線模様が観察された(図12c)。CVD合成ダイヤモンドは、基盤の{100}面にごく小さなオフ角をつけたステップフロー成長により、結晶の表面上において層状に順次積層しながら大きくなる。ダイヤモンドの形成において、わずかなあるいは一時的な障害が生じると成長面に影響し、そこに蛍光を発する光学欠陥が集中するため、これらが縞模様として見られることとなる(文献14)。
考 察
現在市場で見られるCVD合成ダイヤモンドの多くは、成長速度を速めるために意図的に微量の窒素が添加されている(文献4)。このような高速度成長は結果として褐色味を呈する原因となるため、それを除去する目的でHPHT処理が施されている(文献5)。また、市場で見られるピンク色のCVD合成ダイヤモンドは、HPHT処理後に電子線照射と低温でのアニーリングを組み合わせたマルチプロセスが施されている(文献1, 文献2)。
本研究のCVD合成ダイヤモンドは、紫外-可視-近赤外分光分析において置換型単原子窒素に起因する270nm付近の幅広い吸収と、PL分析における非常に強いNVセンタが検出されており、意図的に窒素添加が行われたことは明らかである。しかし、マルチプロセスのピンクCVD合成ダイヤモンドに見られる1450 cm–1(H1a)、741.1nm (GR1)、594.3nm、393.5nm (ND1)などの照射に関連したピークは検出されなかった。紫外-可視-近赤外分光分析において520nmを中心とする幅広い吸収とNVが検出されており、これらがBrown Pinkの色の原因と考えられる。
赤外分光分析において3200 cm–1~2800cm–1に複数のC–H由来の吸収と考えられるピークが検出された。これらのピークは窒素を意図的に添加して成長させ、HPHT処理を施したCVD合成ダイヤモンドに見られるものである(文献6, 文献13)。これらのうち2901、2870、2812 cm–1のピークは熱処理の温度が高くなるほど高波数側にシフトすることが知られている(文献6, 文献13)。文献13は1900℃のHPHT処理後に2902、2872cm–1のピークが検出され、2200℃の処理後に2905、2873cm–1にシフトしたとしている。我々が独自に行ったCVD合成ダイヤモンドのHPHT処理実験(未公表)においても1600℃の処理で2902、2871cm–1に検出されたピークは2300℃の処理において2907、2873cm–1にシフトした。また、2901、2870、2812 cm–1のピークシフトは熱処理時の圧力にも関係しており、我々が行った実験(未公表)では、処理温度が同じ1600℃においても圧力が7GPaの高圧力下では2902、2871、2819 cm–1であったが、周囲圧力下では2900、2868、2813 cm–1であった。したがって、今回の研究試料は1600℃程度のLPHT処理が施された可能性が示唆される。
3123 cm–1のピークはNVH0に関連しており、成長後のCVD合成ダイヤモンドには見られるが、HPHT処理で消失することが知られている(文献5)。しかし、1600℃のLPHT処理後には消失せずに検出されている(文献6)。我々の実験(未公表)においても、1600℃/7GPaで3123 cm–1ピークは消失したが、1600℃/周囲圧力では消失せずに検出された。また、3107 cm–1(N3VH) は成長後のCVD合成ダイヤモンドには見られないが、1700℃以上のHPHT処理後に出現することが知られている(文献13, 文献14)。
H3センタは成長後 のCVD合成ダイヤモンドには見られないが、1500℃以上のHPHT処理後に導入されることが知られている(文献6, 文献13)。文献6は1970℃でLPHT処理した後はNV0>H3であったが、2030℃でHPHT処理した後はNV0<H3とその比率が逆転することを見出している。本研究でのCVD合成ダイヤモンドは明瞭なH3センタが検出されたが、NV0に比較して弱く、処理温度は最大でも2000℃以下であったと推定できる。
文献16によると、本研究の紫外–可視吸収スペクトルで見られた667nmと684nmピークは結晶育成後にLPHT処理を施すことで出現する。また、赤外領域の1374 cm¯¹のピークは結晶成長後のCVD合成ダイヤモンドを周囲圧力下において1700℃以上で加熱(LPHT処理)した後にのみ出現する。さらに、文献16により、7917、7804 cm–1ピークは周囲圧力、1300–1600℃の温度範囲で出現することが確かめられている。本研究ではこれらのピークが検出されており、HPHT処理ではなく、LPHT処理が施されていることを強く示唆している。以上の検出された(あるいは検出されない)光学欠陥の組み合わせなどから、本研究におけるピンクCVD合成ダイヤモンドのLPHT処理の温度範囲は1500–1700℃程度と推定される。
まとめ
グレーディングに供されたピンク色の石を検査した結果、LPHT処理が施されたCVD合成ダイヤモンドであることがわかった。赤外領域の分光スペクトルによる3124、3030、2948、2937、2901、2870、2812、2726cm–1のピーク、PL分析による737nmピークの検出およびDiamondView™による積層成長の痕跡はCVD合成を示唆するものである。しかし、一般的なマルチプロセスのピンク色CVD合成に見られる1450 cm–1(H1a)、741.1nm (GR1)、594.3nm、393.5nm (ND1)などの照射に関連したピークは検出されなかった。赤外領域の7917、7804 、1374 cm–1と可視領域の667nmと684nmの吸収ピークが検出され、これらはLPHT処理された特徴である。
これまで宝飾用のCVD合成ダイヤモンドの色の改善には主にHPHT処理が利用されていたが、技術開発とともにLPHT処理が普及する可能性がある。鑑別技術者にとってはLPHT処理されたダイヤモンドの光学欠陥に対する理解が新たに必要となろう。
謝辞
液体窒素温度による紫外-可視分光分析にはAGTジェムラボラトリーの齊藤宏氏にご協力いただきました。ここに謝意を表します。◆
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